アート・美術展/おすすめ展覧会・イベント情報

2015年9月のオススメ展覧会・美術展(2ページ目)

東京都美術館(上野)のマルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで、渋谷区立松濤美術館(神泉)のスサノヲの到来―いのち、いかり、いのり 、ホキ美術館(千葉県)の写実って何だろう?ーその多様性と可能性ー、森美術館(六本木)のディン・Q・レ展:明日への記憶、熊谷守一つけち記念館(岐阜県):開館記念展をご紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド

荒ぶる神の現在までの足跡を辿る
渋谷区立松濤美術館(神泉):スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり 

狩野時信《素戔嗚神》undefined江戸時代undefined17世紀undefined絹本着色undefined出雲大社蔵

狩野時信《素戔嗚神》 江戸時代 17世紀 絹本着色 出雲大社蔵

『古事記』や『日本書紀』にも登場するスサノヲ(スサノヲノミコト、素盞嗚命)。農耕をもたらした文化の神、ヤマタノオロチを退治する英雄、天界を追い出されるほどの乱暴者、日本で初めて和歌を詠んだ芸術の神、和歌の始祖、流浪する“マレビト”。

さまざまな側面をもつスサノヲは、古来より多くの人々にひらめきを与え、現在に至るまで芸術家や宗教家、学者たちにインスピレーションを与えてきました。

この展覧会は、そのスサノヲを多角的に捉えて多面的に紹介していくというもの。縄文時代の土器、彫像などで現されたスサノヲから、現代の作家たちが彼の精神を表現した作品まで、全8章に分けられた展示でスサノヲを知ることができます。国学者、平田篤胤自画像や「異界」についての数々の研究、大本の開祖、出口なおの《お筆先》や、金井南龍の油彩画など非常に珍しい展示品にも要注目。
手銭官三郎《素戔嗚尊の古面》undefined1798(寛政10)undefined木造・彩色undefined手銭記念館蔵

手銭官三郎《素戔嗚尊の古面》 1798(寛政10) 木造・彩色 手銭記念館蔵

DIC川村記念美術館など過去に4会場で開催された展覧会ですが、松濤美術館でみるとまた新しい発見があります。タカユキオバナ《あめのうた》は、白井晟一設計の建物のカーブを使ったインスタレーション。松濤美術館で回廊を展示に使ったのは開館以来初めてとのこと。こちらもぜひ体験してみてください!

また、スサノヲの神話や、影響を受けた人物について、わかりやすく解説されている小中学生向けガイドブックは、大人の鑑賞にも非常に役立つ冊子です。小~高校生と展覧会図録を買った人に無料で配布されますので、余裕があれば、鑑賞する前にチェックしておくのがオススメです。


■展覧会DATA
展覧会名称: スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり 
会場:渋谷区立松濤美術館
会期:2015年8月8日(土)~9月21日(月・祝)
開館時間:10:00~18:00
※金曜日は19:00まで開館
※入場は閉館の30分前まで
休館日:8月10日(月)、17日(月)、24日(月)、31日(月)、9月7日(月)、14日(月)
Web: http://shoto-museum.jp/

次のページではホキ美術館(千葉県):写実って何だろう?ーその多様性と可能性ーを紹介します。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます