アート・美術展/おすすめ展覧会・イベント情報

2015年9月のオススメ展覧会・美術展(3ページ目)

東京都美術館(上野)のマルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで、渋谷区立松濤美術館(神泉)のスサノヲの到来―いのち、いかり、いのり 、ホキ美術館(千葉県)の写実って何だろう?ーその多様性と可能性ー、森美術館(六本木)のディン・Q・レ展:明日への記憶、熊谷守一つけち記念館(岐阜県):開館記念展をご紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド

写真と見まごう「写実絵画」とはなにかに迫る
ホキ美術館(千葉県):写実って何だろう?ーその多様性と可能性ー

藤田貴也《Eiko》2014年ホキ美術館

藤田貴也《Eiko》2014年ホキ美術館

写実絵画をご存知ですか? 藤田貴也の《Eiko》のように、とにかく極限にまで精密で精緻な絵画。複雑に反射する水辺の光、人物の肌から透ける血管、甲殻類独特のツヤとざらつきを持つロブスターなど、写真と見間違えてしまいそうなほど細部まで描き込まれています。

もちろん、画家は単に目の前にあるものを、技術を駆使して忠実に再現しよう、模倣しようとだけ思って、絵を描いているわけではありません。画家が見つめているのは、対象の表面だけでなくもっとずっと奥にあるもの。対象の本質を引き出し、絵のなかでより強く感じられるように描いているのです。

ホキ美術館はこの写実絵画を専門に収蔵・展示する美術館。約40名の作家、150点の写実絵画が3層からなる回廊を重ねたギャラリーに展示されています。
島村信之《ロブスター(戦闘形態)》2010年undefinedホキ美術館

島村信之《ロブスター(戦闘形態)》2010年 ホキ美術館

この展覧会は、その写実絵画とはどのようなものかを考えるもの。ひとえに写実絵画といっても人物や動物、静物に風景などモチーフもさまざま。そして画家によって技法や構図、考え方も大きく異なっています。

展示されている47点の作品のなかから、その違い、共通点を探り、そして画家が何を大切にしているか、何を描こうとしているのかを探っていきます。この展覧会で初公開される新作も9点展示、ひとつひとつ時間をかけて見て行きたい作品ばかりです。

■展覧会DATA
展覧会名称: 写実って何だろう?ーその多様性と可能性ー
会場:ホキ美術館
会期:2015年5月21日(金) ~11月15日(日)
開館時間:10:00~17:30
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日
※9月22日(火)、11月3日(火)は開館、9月24日(水)、11月4日(水)は休館
Web: https://www.hoki-museum.jp/


次のページでは 森美術館(六本木):ディン・Q・レ展:明日への記憶を紹介します。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます