荒ぶる神の現在までの足跡を辿る
渋谷区立松濤美術館(神泉):スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり
狩野時信《素戔嗚神》 江戸時代 17世紀 絹本着色 出雲大社蔵
さまざまな側面をもつスサノヲは、古来より多くの人々にひらめきを与え、現在に至るまで芸術家や宗教家、学者たちにインスピレーションを与えてきました。
この展覧会は、そのスサノヲを多角的に捉えて多面的に紹介していくというもの。縄文時代の土器、彫像などで現されたスサノヲから、現代の作家たちが彼の精神を表現した作品まで、全8章に分けられた展示でスサノヲを知ることができます。国学者、平田篤胤自画像や「異界」についての数々の研究、大本の開祖、出口なおの《お筆先》や、金井南龍の油彩画など非常に珍しい展示品にも要注目。
手銭官三郎《素戔嗚尊の古面》 1798(寛政10) 木造・彩色 手銭記念館蔵
また、スサノヲの神話や、影響を受けた人物について、わかりやすく解説されている小中学生向けガイドブックは、大人の鑑賞にも非常に役立つ冊子です。小~高校生と展覧会図録を買った人に無料で配布されますので、余裕があれば、鑑賞する前にチェックしておくのがオススメです。
■展覧会DATA
展覧会名称: スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり
会場:渋谷区立松濤美術館
会期:2015年8月8日(土)~9月21日(月・祝)
開館時間:10:00~18:00
※金曜日は19:00まで開館
※入場は閉館の30分前まで
休館日:8月10日(月)、17日(月)、24日(月)、31日(月)、9月7日(月)、14日(月)
Web: http://shoto-museum.jp/
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