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ものを手放すと家計はどこまでラクになるか

ものを持たない生活をするミニマリストが注目されています。今回はマネープランの視点からものを持たない家計のメリットとデメリットを考えてみます。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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断捨離の先はミニマリスト?

できるだけものを持たない「ミニマリスト」

できるだけものを持たない「ミニマリスト」

ミニマリスト、という言葉が最近目につくようになりました。最小限主義者と日本語訳がつくこともあるように、できるだけものを持たない生活を送ろうというのがミニマリストです

「ぼくたちに、もうものは必要ない。~断捨離からミニマリストへ」という本が売れていることもあり、ちょっと気になっている人も多いと思います。

ミニマリストを実践している人の部屋をみると、ほとんどものがない部屋に最小限度のアイテムだけがある生活をしています。今すぐリュックひとつ抱えて海外旅行に出かけられるほどシンプルな生活で、単なる断捨離を超えて「必要なものしか持たない」という生活スタイルになっています。

ところで、ここまでものを持たないと、マネープラン的にもメリットがあるように思います。一方で注意点もありそうです。

今回は、ミニマリストをヒントに、あなたの家計の見直しのヒントを探ってみましょう。
 

ミニマリストは家計も最小限にできる可能性がある

ミニマリストの最大のポイントは「所有」をなるべくしないということです。典型的な比較だと「部屋に本が散らかっている」「クローゼットが服の山」であったものをほとんど処分し「座右の書を数冊のみ持つ(あるいは紙の本はもう持たない)」「本当のお気に入り服だけ数点持つ」のようにシンプルライフになります。

お金を払う買い物の出費を大別すれば「食費や日用品のように文字通り『消費』されるもの」と「書籍やパッケージソフトのように『所有』されるもの」に分けることができます。前者は食べたり使うことでなくなっていきますが、後者はなくなることがないものです。

別の角度で考えれば『消費』される買い物は生きていく以上は欠かせませんが、『所有』する買い物は必ずしもなくても成り立ちます。これはつまり、『所有』するためだけの買い物を抑えることができればムダな出費を削ることができる、ということです。

家庭ごとの家計のウエイトにもよりますが、家計出費の1~3割くらいをカットすることも不可能ではありません。
 

『所有』出費を、『仮所有』出費に変えてみる

ところで、『所有』する出費をいきなりゼロにするばかりが、ミニマリスト的家計の見直しではありません。

例えば書籍代や雑誌代を全部カットしてゼロにするばかりが選択肢ではありません。本を読みたければ図書館を利用することで、読むという行為はなくさず本を閲覧することは可能です。マンガならマンガ喫茶をときどき利用するのもいいでしょう。もちろん無料で読めるネットの情報を活用する手もあります。

また、電子書籍を利用すれば割安で書籍の情報を手に入れることができ、部屋を圧迫することもありません。映画のパッケージを買わず、iTunesやPSN、GooglePlayなどを使ってレンタル視聴すれば、かかる費用は格段に下がります。これは「所有」が絶対ではなく「仮所有」のような形に切り替えることで出費費用を抑えられる可能性を示しています。

しかしながら、ミニマリスト的家計には注意すべき点もいくつかあります。
 
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