テクノポップ/アーティストインタヴュー

ゲツプロが考えるクラブイベントのあり方(2ページ目)

9月23日、clubasiaにてアラフォーにも優しいデイタイム・クラブイベント「HARDFLOOR VS GEKKAN PROBOWLER 2015」を開催。ゲッカンプロボーラーのyaskikutaさんに、クラブミュージック、クラブイベントについて語っていただきました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

音楽の聴き方は変わったのか?

ガイド:
最近、音楽の聴き方が変わってきた、そしてまだ変わっていくと感じます。気に入ったレコードやCDを買って、それを聴き込む…そんな聴き方をすることがなくなったわけではありませんが、Spotify、Apple Musicなどが立ち上がり、パッケージを所有するよりも体験、そしてキュレーション的な聴き方も増えてくる方向へと向かっているようにみえますが、どうでしょう?

yaskikuta:
「ただ手軽に沢山の音楽が聴ける!いい時代になったな」くらいに思うようにしてます。ほとんどのリスナーがこの感覚だと思うんですよ。「音楽を安売りしやがって!」なんて大騒ぎしてるのは一部の音楽ビジネスマンでしょ? そんな奴らに言ってやりたい。「音楽制作にお金掛けてますか?」ってさ。制作費ケチってクズみたいな音楽を安売りされて文句言ってちゃ本末転倒ですよ。安売りされるからケチるのか、ケチるから安いのか?

どちらにせよ音楽に愛があるなら、ちゃんとしたモノを作り続けるしかないよね。良いモノも悪いモノもmp3の悪音質で並べられる世の中でしょ? リスナーには判断し辛いよ。だったらせめて作り手は嘘偽りなく最高のモノを出し続けるしかないじゃん。妥協してたら面白くない。少しでも目立つように宣伝費に全部突っ込んで、肝心な制作費をケチるってのは宜しくないよね。

ガイド:
Apple Musicは試してみたのですが、思った以上に気の利いた「Daft Funk」といったキュレーションがありました。同時に僕の場合は、まずキュレーションされないものとかも好きなので、限界はあります。どうでしょう?

yaskikuta:
レコード屋のバイヤーが今ネット上のキュレターに変化したって事。更に他人がセレクトした音じゃなくて、自分の好みの音を一から探せて各個人がバイヤーやってるんだよ。与えられた音じゃなくて、自己責任で音楽を聴く時代だね。特にクラブシーンはその地区のバイヤーさんによってその地区で流行る音楽が変化してた。今はそう言う事は起こらないね。地域性のある音楽シーンが生まれにくいんだ。そこだけはちょっと寂しいかな。

ガイド:
同時に、ライヴやイベントでの体験というのが、アーティストとオーディエンスの両者にとって今まで以上に重要になっていますね。やはり、その辺りは、ゲツプロの活動の中でもかなり意識されているのでしょうか?

yaskikuta:
もちろんライヴは最重要です。何だかんだ言ってもLIVE>CDの構図は今も昔も変わらない。今だからこそって事ではないよね。ライヴで出す音(スタジオ録音でも)を小さなデータに無理やりパッケージしたのがCD。その小さなデータ量でいかにライヴの熱を伝えられるかが勝負。熱が伝われば自然とライヴ行きてーってなるっしょ。ライヴ会場に来た事がない人は、絶対に一度体験して欲しい。目が覚めるようなライヴを一度見たら音楽の聴き方がガラっと変わるよ。CDの音源がいかにちっぽけなモノだったって感じるハズだ。
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