連載:「アラフォーの“傷跡”。ずっと誰かに言いたかった」第五回
「これまで誰にも言えずに、苦しんできたこと」をテーマに、アラフォー女性が背負っている様々な事情や悩みを聞く連載、第五回。女性もある程度の年齢になれば、自分の性欲を意識するようになる。以前と比べて、それを口に出しても非難されない風潮もある。それでもまだまだ、パートナーに本当の欲求は伝えにくい。抱いている性的な願望を恋人に正直に話せないというミチヨ(42歳=仮名)さん。「こんなこと言うと変態だと思われるかもしれない…」彼女を立ち止まらせるものはなんなのだろうか。
以前、バイブが欲しいという友人につきあって、一緒に買いに行ったことがある。彼女は念願の「1本」を買い、使うのが楽しみだと帰った。だが、数日後、たまたまそれを遊びに来た恋人に見つかり、「そんなものを買うなんて」と大げんかに。最終的には、「オレを選ぶかバイブを選ぶか」という話になって、彼女は泣く泣く、彼の目の前でバイブを捨てたのだそうだ。
性について、人が持っている倫理観や縛りは、なかなか変えられないのかもしれない。
恋人に性的な願望を話せないというミチヨさん。「怖くて踏み出せない」と言う彼女の本心を聞いた。
40代女性の性欲事情:もっと奔放になりたい
――ミチヨさんは、性にとても興味があるんですって?ミチヨ:ええ、前はそれほどでもなかったんですけど、40歳を過ぎてから、したくてしたくてたまらないときがあって……。
――つきあっている方はいらっしゃるんですか。
ミチヨ:はい。バツイチで10歳年上の彼がいます。つきあって4年になります。彼も私も特に結婚する気はなくて、このままでいいかなあと。前は彼とのセックスにも満足していたんだけど、最近は物足りないんですよね。それは言えないけど。
――言えないのはなぜでしょうね。
ミチヨ:彼が年上だからかなあ。いや、もともと上司だったからかもしれない。私、35歳のときに転職してるんですが、彼は前の職場の上司です。転職後に再会してつきあうようになりました。
――今までいちばん感じたセックスって、どんな状況でした?
ミチヨ:今の彼と車の中でしたとき。つきあって1年たったくらいかな。私、それまで「イク」って、どういう感覚かわからなかったんだけど、そのとき初めて、体が木っ端微塵になりそうな感じがありました。
――彼はそれを見て、何かいいました?
ミチヨ:わりと淡々と、「こういう特殊な環境でやると興奮するよね」って。もちろん、それもあるけど、明らかに体が変わったなという実感があったんですよね、私は。
――彼はそれ以上、ミチヨさんの快感を追求しなかったのかしら。
ミチヨ:深読みかもしれないけど、私があまりに感じすぎるのを彼は恐れていたんじゃないかと思うんです。もともと、それほど性に対して深い探究心があるタイプでもないみたいだし。ごく普通にスケベ、というくらいだから(笑)。
>>満たされない…本当の願望は?