シェリング(ヴァイオリン)、ヴァルヒャ(チェンバロ) バッハ:ヴァイオリン・ソナタ全集
1969年のステレオ録音。コレクターズアイテムとなっている「フィリップスの神髄」マスター(96/24)を使用し、当シリーズ共通のルビジウム・カッティングで更に高音質で復刻しました。シェリングの格調高い節回しと超絶的な美音、ヴァルヒャのチェンバロの温かな音色が魅力的です。7/1発売の「ユニバーサル・プレミアム・クラシックスVol.2」全100タイトルのうちの1枚。
■ガイド大塚の感想
バッハの権威である大御所2人が向き合った至高のバッハ。ヴァルヒャの絶対的に安定した精神性高いチェンバロに、シェリングの透徹した美音が絡む様は今や到達できるパートナーが想像できない、失われた響き。それにしてもきっちりしたチェンバロの上に溶け込むシェリングのヴィブラートの完熟した美味さというのは本当に比類ない。
タワーレコード
ケンプ(ピアノ) ベートーヴェン:ピアノソナタ全集
LP時代より日本で最も親しまれた、ケンプによるステレオ録音「ベートーヴェンのピアノソナタ全集」が、オリジナル・デザインとともに復活しました! 生誕120年記念リリースの中でも注目の復刻。ケンプ自身による貴重な「ベートーヴェンのピアノ・ソナタについて」の日本語訳を収録した注目の仕様です。
■ガイド大塚の感想
バックハウスと並ぶベートーヴェンのソナタの金字塔。自然な等身大の人間的なロマンティシズムが香るベートーヴェン。様々な演奏が出た後ではさすがに古く思う部分もあるが、演奏に対する真摯さは不滅。
タワーレコード
『まるごと!パッヘルベルのカノン』
演者がちがうと色合いがまったくちがう! 日本人の心に響く「パッヘルベルのカノン」ばかりをあつめたコンピレーション。パッヘルベルの楽譜どおりにその時代の楽器と奏法による演奏。みんながよく聴かれる弦楽合奏版。サックス、シンセサイザー、ギター、声など、様々な演奏でコンパイル。演奏が違うと受ける雰囲気が全く違います。どこまで聴いても「カノンだらけ」のあらたなる魅力を再発見できるアルバムです。カノンを解読した丁寧な解説書も、ぜひお読みください。
■ガイド大塚の感想
面白い企画だが、元曲が延々と繰り返される曲なので、次々繰り返されても思いのほか違和感がない。スラヴァによる自身の声だけによる演奏やジャズ版などいろいろ面白いが、純粋なクラシック勢もパイヤールやマリナーなど王道の他、ジプシーヴァイオリンのような速すぎるイル・ジャルディーノ・アルモニコなども含まれていて面白い。個人的には少年合唱団リベラによる、声が優しく被さり生み出される不協和音の美しさが印象的。
ということで、交響曲からピアノ、再発もの、コンピレーションまで、ベテランから新人まで、注目の新譜を紹介しました。気になったものを聴いていただけたら幸いです。