どうやったら、本気で人を好きになれるのかわからない

――今まで最長で、どのくらいの期間、つきあったことがあります?
ミホ:最初の彼がいちばん長かったかなあ。あ、教授がいたか。教授とはなんだかんだで3年近く続いていましたけど、恋愛という感じでもなかったなあ。たぶん、あちらも私に恋していたわけではないと思う。あとは1年未満ですね、みんな。

――それはミホさんから別れようと言ってきたんですか?
ミホ:いえ、ちゃんと別れ話とかしたことがないんです。なんとなく会わなくなっていくだけ。

――恋愛した、という実感がないのかしら。
ミホ:ああ、そうかもしれない。この人という決め手がないまま、ずるずる関係をもっているだけなのかもしれないですね。

――この人のためなら何でもする、という強い意志をもったことはない?
ミホ:ないですね。私、40歳になったとき思ったんですよ。結局、誰のことも好きじゃなかったのかなあって。
女性

何度も“恋”をしてきたけれど

30代半ばでつきあった人がね、「ミホのことが大好きだ。世界一好きだ」って言ってくれたとき、私は「私も」と言えなかった。この人、なんでそんなことが言えるんだろうって不思議な気持ちで見ていました。

――好きっていうのは、理屈じゃないですからねえ。
ミホ:この人でなければダメっていう気持ちがわからない。今の私に必要なものを与えてくれれば、その人が今の私にはいちばん大事な人。ただ、この先、だんだん私もトシをとっていくだけだし、ひとりじゃ寂しいのかなあって思うことも増えてはきましたね。

――実はミホさん、ずっと満たされてきたのかもしれませんね。
ミホ:いつも思うんですよ。「幸せってなに?」って。私は親の愛情にもあまり恵まれてなかった。私が小学校に上がるころ親が離婚して、私は父親と父の妹と一緒に暮らしていました。この叔母さんというのがまた変わった人で。あまり周りの大人に愛された記憶がないんですよね。

――だから誰かに甘える術がわからない?
ミホ:子どものころから、自分の食事は自分で作っていましたしね。ひとりで生きることに慣れてる。「甘える」というのがよくわからない。男に甘えられても困るだけだし。べたべたした関係に慣れていないので、周りは私を「自立しているよね」って言うこともあります。

一方で、正直言って男に不自由したこともないし、男の人からいろいろもらって生きているから、「男に依存してるよね」と言われることもある。自分でもどちらかわかりません。ただ、私は会社員なので、男がいなくなっても別にきちんと食べてはいける。

――毎日、楽しいですか?
ミホ:どうなんでしょうねえ。自分の生き方が定まらないという意味では、すごく自己嫌悪に陥ることもある。40歳過ぎて、そのあたりがブレてきましたね。時々、生きていていいのかと思うことさえある……。こんなふうにしか生きられないって開き直ることもできないし、大人らしく生きるってどういうことなのか、よくわからないし。


女性のなかには、望むと望まないとにかかわらず、男から「ものやお金をもらえてしまう」タイプがいるように思う。彼女は積極的に、男にねだっているわけではなさそうだし、こうして文字にすると自慢しているように感じられたかもしれないが、決して自慢話をひけらかす女性でもない。誰かを恨んでいることもない。ただ、彼女自身がどうやって生きていったらいいかわからずに、ここまで来てしまったのかもしれない。

いわゆる「適齢期」に結婚して、専業であれ兼業であれ、「主婦」という立場におさまると、生きていることへの安定感はある。独身で、恋愛を繰り返し、さらにそれが「恋愛といえるものなのかどうか」の確証も得られないとなると、自分が依って立つ場所が見えてこないのではないだろうか。

私自身は、「男から何ももらえない女」ではあるが、根無し草的な生き方という意味では、彼女の気持ちがよくわかる。もしかしたら、これは現代の多くの女性が抱えている、漠然とした不安なのかもしれない。

■短期集中連載【アラフォーの“傷跡”。ずっと誰かに言いたかった】
次回は、「貧困…人生の理不尽さ」に苦しむ女性のお話です。
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