株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

8月に注目したい2つの業種とは?

8月相場は『夏枯れ相場』や『お盆の閑散相場』と呼ばれており、個人投資家や機関投資家が夏季休暇に入ることで市場参加者が少なくなり、相場が冷え込む傾向があると言われています。ですが、軟調に推移しがちな8月相場の中でも、上昇傾向の強い業種もいくつか見られます。そこで今回は、8月相場の中でも上昇傾向の強い、2つの業種をご紹介します。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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8月に上がりやすい業種は?

8月相場は、軟調に推移しやすい時期ということで有名ですが、そんな8月相場の中でも、上昇傾向の強い業種がいくつか見られます。そこで今回は、8月相場にどのような業種が上がりやすいのかを調べてみました。

■8月株式市場の傾向

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検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
検証期間:1990/03/01~2015/06/30
1銘柄当たりの投資金額:20万円

買い条件
・7月末の最終営業日の寄り付きで買い

売り条件
・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
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7月末に、ある業種の銘柄を全て購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、8月は株価が上がりやすい月となります。反対に、損益がマイナスであるならば、8月は下がりやすい月と言えるのではないでしょうか。

以上のルールで過去のデータを用いて検証しました。

8月相場で好調だった2つの業種

■8月相場で好調だった業種、その1:建設(8銘柄)
システムトレードの達人

システムトレードの達人


勝率: 61.83 %
勝ち数: 115 回
負け数: 71 回
引き分け数: 0 回

平均損益(円): 2,835 円  平均損益(率): 1.42 %
平均利益(円): 12,601 円  平均利益(率): 6.30 %
平均損失(円): -12,983 円  平均損失(率): -6.49 %

合計損益(円): 527,232 円  合計損益(率): 263.63 %
合計利益(円): 1,449,060 円  合計利益(率): 724.56 %
合計損失(円): -921,828 円  合計損失(率): -460.93 %

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 1.572
平均保持日数: 27.28 日

■8月相場で好調だった業種、その2:不動産(6銘柄)
システムトレードの達人

システムトレードの達人


勝率: 59.35 %
勝ち数: 73 回
負け数: 50 回
引き分け数: 3 回

平均損益(円): 4,697 円  平均損益(率): 2.35 %
平均利益(円): 17,577 円  平均利益(率): 8.79 %
平均損失(円): -13,826 円  平均損失(率): -6.91 %

合計損益(円): 591,823 円  合計損益(率): 295.92 %
合計利益(円): 1,283,136 円  合計利益(率): 641.59 %
合計損失(円): -691,313 円  合計損失(率): -345.67 %

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 1.856
平均保持日数: 27.28 日

以上が、8月相場の中でも上昇傾向が強かった2業種の検証結果です。検証結果を見てみると、どれも勝率が50%を上回っており、1トレードあたりの平均損益は約+1%を上回る結果となりました。勝率が5割より高く、平均損益もプラスになっていることから、建設、不動産の2業種は、8月に上がりやすい傾向があると判断できるでしょう。

上記でご紹介した2業種は、8月相場において上昇傾向が強いことが分かりました。一方で、日経平均株価に採用されている全35業種のうち、残りの33業種は、上昇傾向が見られませんでした。8月は、下落傾向が強い業種が大半を占める検証結果となり、1年の中でも特に相場全体の下落傾向が強いことから、8月に新たに株式の購入を検討している方は、買い付けるタイミングに注意が必要でしょう。

今回の検証でご紹介した2つの業種は8月相場の中でも上がりやすい傾向がありました。では、これらの業種の中でも上昇傾向が強かったのは、どの銘柄だったのでしょうか? 最後に、8月相場で上昇傾向の強かった2業種の中でも、特に好調だった銘柄をご紹介します。


8月に好調な銘柄ランキング(建設業、不動産業)

システムトレードの達人

システムトレードの達人


上記の表は先ほどの検証結果において、特に勝率の高かった銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄から特徴を見ると、「清水建設<1803>」「鹿島建設 <1812>」「東京建物<8804>」「住友不動産<8830>」などが、8月相場に上昇しやすい銘柄だといえるでしょう。

8月はお盆の時期でもあるため、個人投資家や機関投資家が夏季休暇に入り、投資を控え、買い意欲が衰える傾向があると考えられます。もしあなたが、8月に株を購入しようとお考えならば、今回ご紹介した2つの業種(建設、不動産)に注目してみてはいかがでしょうか。

業種や個別銘柄は、月によって、株価が上がりやすい月と、下がりやすい月があります。今回のように簡単な検証をすることで、8月の投資戦略を考える上での、有効な判断材料の1つになることでしょう。なお、8月は株式市場全体が軟調に推移しやすい傾向があります。このような難しい相場の中でも、過去の勝率が低い銘柄をトレードするよりは、成績が良好な銘柄をトレードした方が、よりリスクを抑えることができるでしょう。

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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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