“新しい鰻店”は斬新でお洒落な店内
2014年7月、“新しい鰻店”をコンセプトに銀座に新しい鰻屋さんが開店した。「銀座ときとう」は、俺のシリーズを展開している「俺の株式会社」が母体となっている。俺のシリーズの鰻バージョンが銀座にオープンしたのだ。ただ、店名には「俺の」ではなく店主のお名前「ときとう」を店名にしている。店主の時任さんは、東京の有名店、麻布野田岩飯倉本店で修行されたのだそうだ。※2016年9月に「俺のうなぎ」に店名変更(追記)
ブラックのビルの壁面に、純白の暖簾がかけられた斬新な外観。店内に入ると、着物姿のスタッフが出迎えてくれる。店内左手には5メートルはある無垢の一枚板のカウンターがあり、テーブル席4卓ほどと、6名用のテーブル個室席がある。8席あるカウンター席の内側が焼き場となっている。内装も鰻屋さんとは思えないダークシック系のお洒落な店内となっている。
随所に店主のこだわりが感じられる
カウンター席に案内され、座るときにはスタッフが椅子を引いてくれる、フレンチのレストランにでも来たのかと錯覚しそうだ。メニューは、数量限定のランチうな重から美食コース、鰻懐石、特別鰻懐石のコース料理や、鰻の赤ワイン煮込みフォアグラ添えや鰻のてまり寿司といった気になる一品料理まで、実に豊富だ。曜日や時間帯によってメニューが異なるので確認したほうがよいだろう。うな重(一尾半)4,500円をお願いすると、白ナプキンと漆塗りのお盆が用意される。ご飯の量を聞いてくれたりといった気遣いが嬉しい。
カウンター越しに気さくな若店主が話しかけてくれる。うな重の重箱は、輪島塗の特注だそうで、蒲焼のタレのツボは伊万里焼、米は能登米。魚沼産のコシヒカリなども試したが、鰻の蒲焼をひきたたせるのには、鉄釜で炊いた能登米がよく合ったのだそうだ。
炭火で丁寧に焼かれた、ふっくらと柔らかいうな重
炭火の前で団扇で扇りながら本焼き、目の前で重箱にご飯を盛る。いよいよだ。待つこと20分、うな重登場。店主と話しながら、そして職人の作業を見ながら待つ時間は、まったく苦にならない、むしろ楽しい。重箱を前にして白ナプキンをひく、鰻屋さんではなかなかやらない動作だ。皮は薄く柔らかく、ほどよい脂ののり。身はやや厚めで、しっかり蒸されホクッと柔らかい。皮下の上品な脂とホクッとした身で、トロッと柔らかい食感となる。タレはコクのあるタイプ、蒲焼とタレ、ご飯のバランスも良く上品なうな重に仕上がっている。
特別な日には鰻のコースがおすすめ
洗練された店内では、ワインとともにコースをいただきたくなる。6品の「美食コース」7,000円をはじめ、8品の「鰻懐石」10,000円や「特別鰻懐石」は、フォアグラやキャビアといった高級食材も使用され、鰻とのコラボレーションが楽しめる。また、鰻の燻製など、なかなかお目にかかれない珍味もコースに組み込まれている。内容お値段ともに魅力的だ。そしてワインソムリエの資格を持つという店長さんが、鰻料理に合うワインをセレクトしてくれるという。気さくな店主とカウンター越しに話をしながら、鰻三昧の素敵な時間を過ごせることだろう。
※2016年9月に「俺のうなぎ」に店名変更(追記)
■俺のうなぎ(旧店名:銀座ときとう)
住所:東京都中央区銀座7-5-5 長谷第一ビル1F
営業時間:12:00~14:30(L.O.13:30)17:30~21:00(L.O.20:00)
定休日:日曜日
地図:Yahoo!地図情報