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選挙権年齢を18歳へ引き下げ その利点と責任(2ページ目)

2015年通常国会で選挙権の年齢を18歳に引き下げる公職選挙法の改正案が成立した。これにより、1年後より行われる選挙において18歳から19歳まで約240万人の投票が可能となる。この改正の利点および責任について考えてみる。

松井 政就

執筆者:松井 政就

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権利とともに責任も生じる

権利が与えられるからには、それと同時に責任も生じる。若年層にはどのような責任の果たし方があるか。

彼らのもつ「感覚」や「感受性」を政治に生かすのはその一つだろう。
政治への関心が薄いと言われながらも、「時代の変化や社会の矛盾に敏感な点」など、若者には他の世代にはない強みがある。そうした特徴を生かすことは若年層らしい責任の果たし方と言えそうだ。

さらに基本的な姿勢として、与えられた権利をきちんと理解することも責任の一つである。今回の法改正により、インターネットへの選挙中の意見投稿など、同じ高校3年生でありながら18歳はOKで17歳はNGとなるような注意点が生じているが、このような権利に伴うルールついて自ら理解しようと努めることも、立派な責任の果たし方である。

社会通念に合った選挙法が求められる

ここまで、若年層が政治参加することのポイントを挙げてきたが、一方で、政府自身(政治の側)が自覚すべき問題もある。

そのひとつが「わかりにい公職選挙法」である。

記憶に新しいのが2014年に起きた、いわゆる「うちわ辞任」である。
与党議員である大臣が選挙区の盆踊りで「うちわ」を配ったことが寄付行為にあたるとして野党議員からの厳しい追及を受け、辞任に追い込まれた件である。

すると後日、大臣を追及した野党議員本人も選挙区で「うちわ」を配っていたことが判明した。ところがその議員は、自分が配ったのは「持ち手の棒がないのでうちわではない」と主張。

その弁明に我々一般国民は強い違和感をもった。なぜなら、持ち手があってもなくても、社会通念上、それらはうちわとして認識されているからである。
(※参考までに、当時私が業者に取材したところでは、棒があってもなくてもどちらも「うちわ」であるとの回答を得られ、業者のカタログにもどちらもうちわとして掲載されていた。)

あくまで一例であるが、公職選挙法におけるこのような社会通念に著しく反するような定義や運用は、とりわけ若年層における政治不信の元凶ともなりかねず、今後改善されるべき点であろう。

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