クラシック/クラシックおすすめ新譜CD

2015年7月の、クラシック音楽のおすすめ新譜CD(4ページ目)

2015年7月のオススメはこれ! クラシック音楽の新譜CDの中からレコード会社が自信をもってオススメするアルバムをセレクト&オススメコメントをもらい、更にガイド大塚が聴き手としての感想をつけて紹介します。

大塚 晋

執筆者:大塚 晋

クラシック音楽ガイド

牛田智大(ピアノ) 愛の喜び

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■レコード会社からのオススメコメント
2015年10月16日に16歳となる牛田智大、渾身の第4弾アルバム! 日本人ピアニストとして史上最年少デビュー、さらに清純且つ無垢でキュートなそのルックスで世間の注目を集めた牛田智大。2012年3月のデビューからまる3年、現在モスクワ音楽院ジュニア・カレッジに在籍し、猛勉強中のロシア作品を中心に収録。全編を通し、馨しいロマンがただよい豊かな歌心が息づき、ファンタジーあふれる作品に仕上がっています!

■ガイド大塚の感想
「愛の挨拶」「愛の喜び(ラフマニノフ編曲)」などのメランコリックな演奏は変わらずの牛田節というか実に上手で申し分ないが、今回驚いたのは、プロコフィエフの7番「戦争ソナタ」。激しい打鍵と思い切った和音のぶつけ方など、大人のピアニストへの階段を昇っていっていることを感じさせる。また、そうした中でも凛とした美しい音を保つのは流石。
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若林顕(ピアノ) リスト:ピアノ作品集

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■レコード会社からのオススメコメント
ラフマニノフ、ベートーヴェン、チャイコフスキー…とアルバムをリリースしてきたヴィルトゥオーゾ若林顕の最新盤はリストの作品集です。広く有名な人気の名曲を集めました。テクニックはもちろんのこと、豊かに歌う芳醇で多彩な音色と、ダイナミックな演奏は秀抜です。今年50歳を迎える若林顕の現在を聴くことができる、記念的アルバムとなりました。

■ガイド大塚の感想
くどさや誇張がなく、それでいて縦横無尽に鍵盤を操るといった印象の、ベテランの技を聴かせる大人の演奏。丁寧に聴かせるピアノ(弱音)のレガートの美しさが特に際立つ。
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ベネッリ・モーゼル(ピアノ) 『[R]evolution~近現代ピアノ作品集』

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■レコード会社からのオススメコメント
フィレンツェでピアノを始め、その後モスクワ音楽院、ロンドンの王立音楽院で学んだ新鋭ピアニスト、ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼルのDeccaデビュー・アルバム。彼女がデビュー作に選んだのはストラヴィンスキー、シュトックハウゼン、そしてカロル・ベッファの作品です。美麗なジャケット写真からは良い意味で聴き手を裏切る、真摯で硬派な演奏が刻まれた1枚。

■ガイド大塚の感想
シュトックハウゼンのアクションペインティングのような曲で始まり、1973年生まれの人気現代音楽作曲家ベッファの作品が続くが、これが白眉。ラヴェルの延長にあるような粋で美しい作品を丁寧に聴かせる。その後でもはや古典のペトルーシュカだが、物語というより、音楽の多様なピアニズムに注目したといった演奏で、音符を割と等価に扱い冒頭のシュトックハウゼンをも思い出す現代音楽的演奏。ともあれ、技術は極めて高く、カチッとしたヴィルトゥオジティで強烈にメリハリを効かせている。


SUGIZO「SPIRITUAL CLASSIC SUGIZO SELECTION II」

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■レコード会社からのオススメコメント
LUNA SEA、X JAPANのギタリスト兼ヴァイオリニストのSUGIZOが愛してやまないクラシックをセレクトしたコンピの第2弾。プロオケの演奏者を両親に持つ彼は幼い頃から英才教育を受けてきた。今でもクラシックのコンサートに足を運ぶほど敬愛しているクラシックを、曲順から曲間、演奏テイクまでを拘り抜いたSUGIZO。曲との出会いや想い入れを語ったインタビュー形式による1万字に及ぶセルフライナーノーツを掲載。

■ガイド大塚の感想
色彩感ゆたかなフランス物を中心に、旋律の美しさで知られる名曲を多数入れ、最初と最後はピアノ曲を配置するというオシャレなセレクト。一貫して情景が浮かぶような響きが続き、SUGIZOのファンでなくても楽しめる1枚。
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マリナー(指揮) ベートーヴェン:交響曲全集、他

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■レコード会社からのオススメコメント
今年91歳を迎えたマリナーが足かけ約30年かけて完成されたベートーヴェン:交響曲全曲他を初セット化!満を持しての復刻です。単売では入手困難であったこれらの音源は貴重です。録音も優秀。余白にはI.ブラウンと1980年に録音したDECCA音源のヴァイオリン協奏曲を特別収録しました。

■ガイド大塚の感想
モダンオケながらも小編成で小回りの良い爽快さとモダン楽器のしなやかな強さが共存し、また、何よりマリナーらしい奇を衒ったところのない端整さの中に高貴さがたちこめ心地良い。以前なら「ドイツ的でない」と言われたかもしれないが、これは今こそ聴く価値を持つ秀演。各楽器の入りのタイミングも正確で、ホールの残響と各楽器のバランスとテンポもこの上も下もないのでは、という絶妙さ。聴いていて唸る演奏というのは、やはりこういうさじ加減の美味さにあるのだろう。
タワーレコード


ケンプ(ピアノ) ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集、他

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■レコード会社からのオススメコメント
今年はヴィルヘルム・ケンプの生誕120年です。これを記念し3回に分けて、主にDGレーベルに残されたステレオ音源をリリースしていきます。第1回目は協奏曲と室内楽曲の6タイトルをリリース。中でもライトナー&BPOがバックのこの音源は、発売以来普遍的なスタンダード演奏として有名な録音です。ケンプ自身の日本語訳も封入された保存盤です。

■ガイド大塚の感想
ケンプもオケも堂々と力強く、みずみずしい美しさも湛え、そして何より全ての音が温かい見事なベートーヴェン。様々な演奏が世に出ようが、この奇を衒わない純粋で自然な歌は、永遠に風化しないだろう。本人による楽曲解説も作品解釈がよく分かり、興味深く面白い。
タワーレコード


ということで、交響曲からピアノ、再発ものまで、ベテランから新人まで、注目の新譜を紹介しました。気になったものを聴いていただけたら幸いです。

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