”高性能ブランド”の地位を確立したミニJCW
過去2世代で圧倒的なパフォーマンスを提供した結果、ミニのJCW(ジョン・クーパー・ワークス)は、たとえばBMWにおけるMブランドのように、クルマ好きの誰もが認める”高性能ブランド”として、その地位を確立したように思う。
第3世代となっても衰え知らずの人気を保つ新型ミニシリーズにも、当然のごとく、JCWモデルが用意され、このたび日本市場にも上陸をはたした。
プレミアムブランドにおける高性能仕様が、すべからく過激なパフォーマーからリファインメント追求型への道筋を辿ってきたように、新型ミニのJCWもまた、初代のようなスパルタン志向からとはうって変わって、洗練された高性能を発揮するモデルに仕立てられた。
パフォーマンススペックそのものは、確かにノーマルに比べて圧倒的に高くなり、現行モデルで直噴2Lとなったターボエンジンは、なんと231psを発揮するまでに至っている。旧型のミニJCWはもちろんのこと、なんと2シーターのスパルタンミニ、旧型JCW GPを加速性能で凌ぐというから、ミニ史上最強のモデルが登場したと言っていい。
リファインメント志向は、エクステリアデザインにも表れている。JCWであることを、ことさらアピールするのではなく、たとえばエンジンパフォーマンスの向上に対応して、空力性能の改善や、より多くのフレッシュエアを取り込みたいがゆえに開口部を大きくしたフロントグリルバンパーデザインなど、あくまでも機能性重視のスタイリングとした。ミニらしさを保ったままで、だ。
JCW専用セッティングのスポーツサスペンションとブレンボブレーキの性能を充分に発揮させるべく、ノーマルで17インチ、オプションで18インチの専用デザインアルミホイール&タイヤも用意される。もちろん、エレクトロニックデファレンシャルや、パフォーマンスコントロールを備えたDSCも、スタンダードだ。
エクステリアの表現こそ控えめだが、ひとたびドアを開ければ、このクルマがただものではないことを、誰もが直感で分かるはず。なぜならそこには、サイドサポートも立派な専用デザインのスポーツバケットシートが2脚、備わっているからだ。そのほか、ステアリングホイールやステンレス仕上げのペダル類など、専用品も多数おごられた。