子ども3人の教育費準備のため、どう家計を見直せば……

貯金がなかなか増えない悩み

貯金がなかなか増えない悩み

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、3人のお子さんの子育てに頑張る36歳の会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

■相談者
渡辺ともみさん(仮名)
女性/会社員/36歳
持ち家一戸建て

■家族構成
夫(36歳/自営業)、長女(11歳/小学校5年)、長男(8歳/小学校2年)、次男(6歳/保育園)

■相談内容
3人の子育てをしながら仕事との両立がきびしく、2年前に仕事量を減らしてもいました。結果、私の年収が半分になり、それ以降は毎月あまり貯蓄ができず、赤字になる月もあります。親としては教育費はすべて負担してあけだいと考えていますが、用意できるかどうか不安も感じています。今後どのように積み立てをし、やりくりをしていけばいいでしょうか。

■家計収支データ
 
渡辺さんの家計収支データ

渡辺さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみち
夫の市民税、国民健康保険料、国民年金、固定資産税/90万円、夫の前妻への慰謝料50万円

(2)住宅ローンの内容
借入開始年月/H20.04~、借入額/3700万円、返済期間/35年、金利/変動1.30%、

(3)「保険料5万6000円」の内訳
・夫/終身保険(死亡500万円、収入保障特約10万円、60歳払済)=保険料1万4750円
・夫/医療(入院1万円、三大疾病特約100万円、60歳払済)=保険料1万131円
・夫/個人年金(65歳10年確定)=保険料9996円
・妻/医療(入院5000円、60歳払済)=保険料5904円
・長女/学資(17歳満期200万円)=保険料1万5219円

(4)「電気ガス水道料金6万円」の内訳
オール電化住宅、以下月額使用料
・夏期=電気代2万8000円、水道代4000円
・冬期=電気代5万6000円、水道代4000円

(5)「教育費9万円」の内訳
・保育料 5万2000円(妻の収入減で9月以降減額される予定)
・学校諸費用 2万円
・長女・長男の習い事 1万8000円

(6)「雑費5万円」の内訳
・夫の前妻の子どもの養育費 4万円
・その他生活雑費・医療費など 1万円

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 今が支出のピークと考えよう
アドバイス2 保険見直しで、貯蓄率アップを目指そう
アドバイス3 教育資金1200万円は貯められる!!
 

アドバイス1 今が支出のピークと考えよう

まず、収入に対する支出の負担は時期的に今がピークであるということを認識してください。相談者である奥様が育児と仕事の両立が難しく、仕事を減らして、結果収入が半減したわけですから、家計が苦しくなるのは当然です。しかし、大事な点は、その状態がずっと続くものではないということ。保育園費用は9月以降に下がるとのことですし、来年には次男の方も小学校入学ですから、教育費はグッと下がります。

つまり、今は苦しくても耐える時期であり、必要以上に焦らず、その中でできることを確実にしていけばいいのです。

できることは家計の見直しですが、とくに効果的なのは固定費の削減です。そこで、まずはクルマのローンを完済されてはどうでしょうか。来年12月まで元利合計で56万円ほど支払うことになりますが、現在の貯蓄から一括で支払っても、家計にほとんど影響はないはず。完済の翌月から、その分が貯蓄に回りますし、まとめて支払った分の利息は支払わずに済みますから、仮に手数料が発生しても結果的に節約になるはずです。
 

アドバイス2 保険見直しで、貯蓄率アップを目指そう

次に見直したいのが保険です。ただし、個人年金保険と学資保険は、いわば貯蓄ですから、実際に検討すべきは、死亡保障と医療保障となります。

まず、死亡保障ですが、現在加入の終身保険が特約と合わせて3400万円ほど。たとえば、それを死亡保障3000万円、保険期間10年の定期保険に切り替えれば、毎月の保険料は5000円未満に抑えられるはず。ほぼ1万円、保険料が下がることになります。終身保険も貯蓄性はありますが、保険料が割高。保険は掛け捨てと割り切って、今は貯蓄ペースを上げる方が賢明ではないでしょうか。加入している終身保険の現時点での解約返戻金が低いようでしたら、解約せずに「払い済み保険(※)」にすればいいでしょう。

ご夫婦がそれぞれ加入している医療保険については、確かに入院1万円は安心でしょうが、5000円に下げてもいいと思います。また、60歳払済を終身払いにする。それで夫婦とも保険料は半分以下に下げられます。

また、これはもし可能であればですが、ご主人が自営業ということですから、たとえば、クルマ2台あるうち1台分の維持費やご主人のスマホ料金などを、会社の経費扱いにしてはいかがでしょうか。クルマは所有せず、リースにする方法もあります。

ご主人の死亡保障も、万が一のときは会社からの弔慰金という形で奥様が受け取るような保険にすれば、保険料が会社の経費に。さらに、継続的に黒字が続いているようですから、それら経費は会社の節税にもなります。検討してみてください。
 

アドバイス3 教育資金1200万円は貯められる!

ご心配の教育費ですが、まず、お子さん3人とも高校までは公立に進学してくれると仮定します。であれば、事前に用意すべきは大学費用。卒業までにかかる金額は、進路によって異なりますが、私立文系で400万円がひとつの目安になるでしょう。つまりは、3人で1200万円。

対して、どれだけ貯められるかですが、学資保険が1本あります。満期金が200万円ですから、不足分はあと1000万円。クルマのローン分と保険の見直しで浮いた保険料を合わせると約5万円。現在の貯蓄が月2万円ですから、合計すれば年間84万円。12年で1000万円に達しますから、大学入学前に目標額ほぼ達成できることになります。

とは言え、自宅から通えない大学になる可能性は少なからずあるでしょう。となれば、仕送りも必要になってきます。それも踏まえると、下のお子さんが大学卒業するまで、先の貯蓄ペースは維持することが重要になってきます。

(※)保険料の支払いを止めても、一定の保障を従来の保険期間のまま継続できる制度。保障額は従来より減額されるが、予定利率は変わらない。ただしほとんどの特約はその時点でなくなってしまう。
 

渡辺さんから寄せられた感想

FP深野先生のお言葉は、子どもが小さいのに貯蓄も少なく先が不安で必死で、家事と育児と仕事に全力を尽くしてきた私に安心を与えてくださいました。

アドバイスを読み、さっそく主人と今後のお金のことについて話し合うことができました。車のローン返済とリースの検討、保険の見直し、下の子が小学校に入学したら1台の車も手放すなど、ひとつずつ見直していこうということになりました。来年の夏に結婚して10年になりますが、初めて家族旅行に行く計画を立てる話し合いもできました。

家計管理も頑張っていきます、朝5時に起きて1日の家事を出来るだけ電気代の安い時間にやってみたら月1万円も安くなりましたし、携帯も月5000円安く出来ました。今まで仕事を減らした事にも罪悪感でいっぱいでしたが、自信を持って行動したいと思います。

10年後には1200万貯めます(笑)
このたびはありがとうございました。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。






取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ

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