ギリシャ問題で日経平均はどうなる?
綱渡りのギリシャ問題、今回はまだ株価に大きな影響は出ていないが、これから影響が出てくる可能性がある
6月末のIMFに対する債務支払期限(16億ユーロ)を控え、今回も債権者とギリシャの間で駆け引きが繰り広げられています。これまでのパターンでは、期限一杯まで散々市場を揺らした末、ギリシャに新たな救済が施され、ギリシャはユーロ圏に残留と、円満な解決が図られてきました。
しかし、そのような救済を何度行ってきても問題の先送りにしかならず、1~2年後には問題再燃と際限の無いことが嫌気され、ドイツ国内でもギリシャの支援に反対する声が大きくなっています。2015年3月時点でギリシャの公的債務額はGDP比で175%に達し、3170億ユーロの債務があります。おそらくこれを返済していくのは実質的には不可能と思われます。この為、今回はかつてないほどデフォルトさせる案も現実味を帯びてきていると思います。
しかしその割に市場は、2010、2011、2012年と繰り返し続いた毎夏の調整時(全てギリシャをはじめとする南欧債務危機)と違い、現在は平静を保っています。過去はいずれの年も事前に危機感を煽られ、大きく調整させられた末、最終的には救済が入ったことで猛反発しました。このことから、今回も最終的には大丈夫だろうとの思惑が働いているものと思われます。
ギリシャを見捨てるのは理に合わない
たしかに、デフォルトさせてしまうよりも、遅延としてしまう方がユーロ圏全体にとっても利があるように思えます。国としては最も多くの債権額を持つドイツにしても、ギリシャはお得意様ということもあり、ユーロを離脱させてしまうと、これまでのようなメリットを享受できなくなります。また、ギリシャには巨大な天然ガス資源があることもユーロ圏がギリシャを見捨てない理由になると思います。ドイツ銀行の計算によると、ギリシャのクレタ沖海底のガス資源の価値は、4270億ユーロの価値があるとされます。クレタ沖海底には、埋蔵量が大きいカスピ海やアゼルバイジャンと同じ構造の堆積層があり、イランやカタールよりも大きいとの探査結果も出ています。ウクライナ問題からロシアからのガス輸入が危ぶまれるユーロ諸国からすると、ギリシャのこの天然ガス資源は見過ごせません。
以上を考えると、今回も結局、いずれかの時点で合意がなされる可能性が高いと思います。ただ、支援協議合意の最終期限が迫ることもあり、一時的に意識され株価下落の要因となる可能性もあるでしょう。そう考えると、調整したところは絶好調の日本株ベストバイ50銘柄最新版!でご紹介したようなファンダメンタルの優れた銘柄を購入するチャンスになる可能性があります。
参考:日本株通信
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