そのため「キャラかぶりで共演NGだ」と書いているネットニュースもありましたが、そんなことはない。2012年に観月ありさ主演『Answer~警視庁検証捜査課』でも共にレギュラーとして共演してます。
『Dr.倫太郎』では荒木重人(遠藤)は数年前大学を去り開業医に、蓮見榮介(松重豊)は外科の主任教授で直接の顔合わせがなかなかありませんでしたが、終盤にいたって過去の因縁が明らかになり、強面同士の直接対決もあり見応えがあります。
遠藤憲一『湯けむりスナイパー』& 松重豊『孤独のグルメ』
そんな二人がそれぞれ上記二作で連続ドラマ初主演。『湯けむりスナイパー』は元殺し屋が潮時を感じ温泉旅館の源さんとして生きる姿と周囲の人間模様をシミジミと描き、『孤独のグルメ』は雑貨輸入商の井之頭五郎が商談にいった先で、昼飯を食べる店を探し、注文を決め、ひたすら食べる、共にエッジがたちおもしろい深夜ドラマです。
両ドラマの魅力を支える重要な要素は主演の二人がこれまでにない役を演じていること。そこで、強面俳優が意外な面を見せたドラマを選んでみました。
國村隼『ふたりっ子』
映画『ブラック・レイン』での松田優作演じるヤクザの子分役など、その手の役が多かった國村隼。イメージが変わったのは1996年の朝ドラ『ふたりっ子』。新進棋士奨励会の幹事・猿渡夏彦役で登場。棋士になりたい野田香子(岩崎ひろみ)を「なんやこの娘は」と思いつつ対応するけど、香子からは「猿のおっちゃん」と馴れ馴れしく呼ばれるという関係性が笑いを誘いました。『ふたりっ子』の後、河瀬直美監督がカンヌで賞をとった映画『萌の朱雀』主演で評価を確立しました。
綿引勝彦『天までとどけ』
綿引勝彦も顔が怖くて若い頃は悪役メイン。同じく劇団民藝出身の樫山文枝と結婚していますが、昔は「おはなはん(樫山文枝といえば『おはなはん』)はなぜ、あんな顔の怖い人と結婚したんだろう」といわれてました。イメージが変わったのは『天までとどけ』の父親役から。90年代に8シリーズも続いたのが効きました。強面のイメージを変えるなら朝ドラなどホームドラマが向いています。どうやって役を得るかが問題ですが。
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