トイレの壁紙選びは、機能とデザインのバランスが大事
狭い空間だからこそ、壁紙や小物の存在感が大きい(トイレをおしゃれに大変身、簡単リフォームのアイデアより)
選び方のポイントとなるのは、機能とデザインのバランスです。まずは空間の快適性を左右する、機能面での選び方をご紹介します。
消臭、抗菌、汚れ防止など、トイレの壁紙は機能面をチェックして選ぶ
日本で一般的に使われている壁紙はビニールクロスです。ビニールクロスは、丈夫で拭き掃除がしやすく、豊富なデザインが揃っています。加えて、消臭、調湿、防カビ、抗菌、汚れ防止など、様々な機能を付加した「機能性壁紙」と呼ばれるタイプがあり、部屋の用途に合わせて選ぶことで、更に快適な空間が作れます。特にトイレは、狭い場所であるにもかかわらず、壁の面積が大きいので、壁紙の選び方によって、快適性はもとより、掃除のしやすさ、居心地も変わります。トイレリフォームの際には、色柄だけでなく、壁紙の機能によく注目して選ぶようにしましょう。
下の写真は、ビニールクロスの上にフィルムコーティングしたタイプで、汚れや傷に強いのはもちろん、中性洗剤を使って汚れ落としができ、また臭いを寄せ付けないので、壁紙への臭いの吸着を防ぐ機能を持っています。
エバールフィルムの効果で汚れ傷に強く、臭いを寄せ付けない壁紙(サンゲツ)
消臭に特化した壁紙もあります。表面に加工した消臭剤が悪臭の原因物質を吸着、分解することで消臭機能を発揮します。効果が持続する期間は5年~10年程度が目安です。
消臭に特化した壁紙。悪臭の原因物質を吸着分解する効果を持つ(サンゲツ)
トイレは派手過ぎるくらいの壁紙がちょうどいい
壁紙の機能を確認したら、次はデザインを選びましょう。ここで問題になるのが、機能性壁紙はデザインのバリエーションが少ないこと。確かに快適にはなるのですが、物足りなさを感じることも。そこでぜひチャレンジして欲しいのが、機能性壁紙+デザイン壁紙のダブル使いです。住宅建築では、リビングや寝室のように継続的に時間を過ごす部屋を「居室」と呼んでいます。居室は長く時間を過ごす場所であり、開いた空間ですので、壁紙も落ち着きがあって目にやさしくて、長く飽きのこないものを選ぶ必要があります。
しかしトイレは居室ではありません。また閉じられた空間であり、中にいる時間も短時間なので、思い切ったインテリアでも大丈夫。壁紙のサンプルブックを見ると、こんな派手な壁紙はどこで使うの?というようなものがありますが、そういう壁紙こそトイレで映えます。
こんな壁紙どこで使うの?というような派手柄こそトイレにぴったり(リリカラ)
機能+デザイン壁紙のダブル使いで、快適+おしゃれなトイレ空間に
壁の全面にデザイン壁紙を張ってしまうと、狭いだけに圧迫感を感じてしまいますが、壁の3面は機能性壁紙を選び、残りの1面にアクセントとしてデザイン壁紙を選ぶ「ダブル使い」のテクニックなら、機能性とデザイン性の両立ができます。デザイン壁紙を張る面は、タンクを背にする張り方、側面の長い壁、座った時に正面に見える壁の中などがありますが、窓やドアが無いフラットな壁面を選ぶと、色柄が映えます。
デザイン壁紙を張る面は、窓やドアが無いフラットな壁を選ぶと映える(シンコール)
選ぶ際には、思い切り派手な色柄を選ぶのが成功のポイントです。無難にと、つい落ち着いた色柄を選んでしまいがちですが、大事なのはメリハリ。アクセントになるような強い印象の色柄を選んだほうが、便器の白色が美しく映え、清潔感が増します。
リフォームで輸入物や薄手の壁紙を使う場合は、剥がした後の凸凹が目立ちやすいため、下地のやりかえが必要になる場合があります。事前にリフォーム会社に確認しておきましょう。
ウェッジウッドの壁紙。上品で高品質なトイレを目指すならブランド壁紙を使うという手も。
壁紙のリフレッシュには、今ある壁紙を剥がさないでリフォームする方法もあります。例えば、上から消臭、調湿機能を持った機能性タイルを張る方法、水性ペイントで塗装する方法、大理石を張って豪華なおもてなしトイレに変身させる方法もあります。
下記にそれぞれ詳しいリフォーム方法をご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
ちなみに便器の交換は、半日程度で完成しますので、思い切って便器ごとリフォームするのもいいでしょう。トイレ全体がリフレッシュします。
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