同じく低視聴率だった『平清盛』でもヒトケタに落ちたのは8月5日放送の第31回が初めて。早すぎます。
適当な女性主人公がいない
キャッチコピーが「幕末男子の育て方」と、大河版『花より男子』をイメージさせながら、実際みると全然違う……などいろいろな問題点を指摘されています。ガイドが思う根本的な問題は「女性ウケを狙って女性主人公にしたいけど適当な歴史上の人物があまりいない」ことから、いろいろと無理が生じていることです。
「適当な歴史上の人物がいない」ことについては以前、『江』の時に書いた「大河ドラマ女性主人公はもうネタ切れ?」でも取り上げました。
この後、『八重の桜』から歴史的に知名度の低い女性主人公を発掘しはじめ、『花燃ゆ』も同じ路線。この二作は最初は主人公の兄、山本覚馬(西島秀俊)と吉田松陰(伊勢谷友介)が中心になって動く点も共通しています。ただ新島八重(綾瀬はるか)は戊辰戦争、鶴ヶ城攻防戦では主体的に動く見せ場がありましたが、文(井上真央)はたぶんずっとこのままでしょう。
知名度が低いのはメリットにもなる
歴史上の知名度が低い主人公が悪いわけではありません。1978年の『黄金の日日』の主人公・呂宋助左衛門(先代市川染五郎、現松本幸四郎)は歴史書では数行しか登場しておらず、大河ドラマで取り上げられる前にはほとんど知る人はいませんでした。しかし記録が残っていないことを逆手にとって、若き木下藤吉郎(緒形拳)とは親しかったが、天下人になり権力志向となった秀吉とは対立させ、親友に織田信長狙撃事件の主犯・杉谷善住坊(川谷拓三)と大泥棒・石川五右衛門(根津甚八)を設定するなど、安土桃山時代の重要な事件に次々と関わるストーリーを無理なく展開。直前まで沈滞していた大河ドラマを蘇らせた中興の祖といわれています。
女性主人公の場合は戦国時代でも幕末でも記録がないからといって、そう自由にどこにでもいかせるわけにはいけないので、同じようにはいきません。別の切り口が必要でしょう。
次は「朝ドラから大河」