今後、パートで働くとなると、老後が不安になります

仕事で体を壊し、収入減が不安。いくら貯金があればいいの?

仕事で体を壊し、収入減が不安。いくら貯金があればいいの?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、職場で体を壊してしまった38歳の会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)


■相談者
サツキさん(仮名)
女性/会社員/38歳
長崎県/実家(持ち家・マンション)

■家族構成
母親(64歳/無職)
※他に兄(別居、41歳/会社員)

■相談内容
実家暮らしで、何とか生活できていますが、あまりの給料の低さに老後が不安でなりません。勤続14年なのですが、昇給はなく、親に依存している状態です。また、仕事で体調を崩し、退職を考えており、次の仕事はパートになるだろうと思います。さらに収入が減るのは確実です。現在、投資信託をしており、不安を埋めるために貯金はしているつもりです。一体、いくらまで貯めればいいのか?それがわかりません。

■家計収支データ

サツキさんの家計収支データ

サツキさんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)「生活費3万円」について
水道光熱費や家での食費はそこから親がやりくり。また、そのうち1万円は,親が娘に養老保険を掛けている。

(2)健康面について
職場に異動があり、ハードワークな部署に。責任も増え、精神的に参ってしまい、現在、心療内科で投薬を受けている。長期になりそう。以前はもっと気楽な部署だったため、安い給与でも納得できたが、今はそのあたりで不満がある。

(3)結婚について
結婚の意思はある。長く付き合っている彼がいるが、相談者同様、職が安定せず、結婚に二の足を踏んでいる。相手に貯蓄はないので、結婚すれば結局、相手のために使ってしまうのが不安。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 療養の後、転職が望ましい方向性
アドバイス2 投資はリスク軽減を基本に見直しを
アドバイス3 結婚相手の金銭感覚や資産状況は把握しておくべき

アドバイス1 療養の後、転職が望ましい方向性

相談内容から判断して、今後、今の職場で継続して働くのは難しいと思います。給与水準が低い、昇給が見込めないのもさることながら、仕事で体調を崩して、しかも投薬まで受けているとなると、問題は深刻だと考えるべき。相談者のサツキさん自身、退職を考えているとのことですから、早く行動に移すべきでしょう。

ただ、新しい職場が決まってからの退職が家計的には望ましいでしょうが、それよりも退職後、治療に専念すべきだと思います。数ヵ月かかってもいいのでは。実際、療養中であれば、求職活動にもマイナスです。体調がすっかり戻ってから休職活動をしてください。失業保険も受給できますし、まとまった貯蓄もあります。資金的に心配することもないでしょう。
 

アドバイス2 投資はリスク軽減を基本に見直しを

転職後、収入が減るという理由で貯蓄や投資に励んでいるとのこと。それ自体はいいのですが、投資内容がやや気になります。

現在保有しているのが、投資信託3本。世界の債券に投資する商品が1本、株式に投資する商品が2本で、計3本を各100万円ずつ持たれていますが、どれも外貨ベースで比較的リスクが高いと言えます。また、いずれも分配金が出るタイプですが、それを出すことで、評価額が下がってしまうケースもあり、実際どれだけ元本が増えているかわかりにくい部分があります。

まずは、利益が出ている時点で徐々に売却して利益を確定してください。その後の再投資は、インデックスファンドやETFといったリスクの低い商品を選択することをススメます。また、今後、転職しても収入減が予想されるなら、投資リスクは抑えるべき。現在、投資商品は300万円保有していますが、これ以上、金額は増やさず、現在、投資に回している月6万円は定期預金等に貯めていきましょう。

また、老後不安と書かれてありましたが、その気持ちは理解できます。しかし、実際にいくら必要かは、25年近く先のことで不確定要素が多く、明確には割り出せません。したがって、健康でかつできるだけ長く働く。そして、できれば社会保険に加入できる職場で、公的年金を上積みできるようにしておく。こういったことが、現在できる有効な老後対策だと考えてください。

アドバイス3 結婚相手の金銭感覚や資産状況は把握しておくべき

結婚は一般的に2人分の収入や資産がひとつになりますから、家計的には1人の負担が軽減されます。サツキさんは現在、家計にはまったくと言っていいほど無駄がありませんが、今後を考えれば、家計面でのプラスが多いことは確かです。

ただ、現在付き合われている彼に貯蓄はなく、仕事も安定しないため、二の足を踏んでいるとのこと。当然のことだと思います。自分の貯蓄があてにされるのではないかという不安も、ごもっともでしょう。

ポイントとなるのは、なぜ彼が貯蓄できないのかという理由です。
収入が少なく、生活費だけで手一杯というのであれば、まだ改善の余地があります。しかし、無駄に支出している、大きなローンを抱えている、というのであれば問題。結婚そのものを、慎重にならざるを得ません。

もちろん、結婚の判断は当事者間で行うものですが、その部分はよく確認し、また話し合った上で決めることが、賢明と言えるでしょう。

相談者「サツキ」さんより寄せられた感想

深野先生、この度はありがとうございました。将来の不安を埋めるべく貯蓄をしていましたがそれだけでは不安は解消されませんでした。しかし、今回先生に「求職活動の間くらいは資金的には心配ない」「家計にはまったく無駄がない」と言われて今までの自分は間違っていなかったんだ、と安心して気持ちが軽くなりました。

投資信託についても、証券会社の方の言われるがままだったので自分なりに勉強して、リスクの低い商品を選んでいこうと思います。また、彼とはあまりお金の話はしませんでしたが、この際2人の将来も踏まえて思い切って話し合ってみようと思います。今回相談をして、客観的に自分を見ることができ、「なんだかむやみに老後を不安がっていたのかな」と思えるようになってきました。体調が良くなって退職せずに済めばベストなのですが、やはり自分の心身を一番に考えて、新たな職場を探していこうと思います。本当にありがとうございました。


教えてくれたのは……

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深野 康彦さん
業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。





取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ

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