今回はそんなGoogleの未来プロジェクトを知り、どんな未来が私たちを待ち受けているか思いをはせてみましょう。
平面の地図はもう古い?「プロジェクト・タンゴ」
プロジェクト・タンゴ(Project Tango)はモバイル端末に搭載されたカメラやセンサーによってリアルな空間を立体的に捉え、端末に人間並みの空間認識能力を与える試みです。言ってみればモバイルカメラで3D撮影が可能になるのです。TangoによってGoogleマップのナビゲーション機能は大きく進化すると予想されます。例えば店舗内の目当ての商品がどこの棚の何段目にあるかといったところまでナビが可能になります。他にも購入を検討している家具のサイズが部屋のサイズに合うか確かめたり、マンションの物件情報で3D画像をチェックしたりできるようになるでしょう。
無人飛行機が自宅まで配送?「プロジェクト・ウィング」
プロジェクト・ウィングは無人飛行機(ドローン)によって宅配便や食品のデリバリーなどを配送するという試みです。ドローンを配達に利用する構想はAmazonによっても進められています。ドローンは宅配だけでなく、農薬散布、災害調査、セキュリティ、工事、宇宙開発など様々な分野での利用が期待されるテクノロジーです。空飛ぶドローンは交通事情に左右されることもない最速の配達手段になりえます。注文から30分以内に商品を届けることも可能と見られており、物流の概念を大きく変えることになりそうです。
運転免許がいらなくなる?「Googleドライバーレスカー」
Googleは人の運転を必要とせずに走行可能な自動運転車の開発を進めています。この自動運転車は走行中GPSを使い、現在地と目的地をリアルタイムで比較しながら、コンピュータが自動でハンドルを回します。またレーザーカメラやレーザースキャナを搭載しており、これによって周辺車両、歩行者、信号、障害物を認識します。収集された情報をコンピュータが解析し、ハンドル、アクセル、ブレーキなどを操作します。
Googleは2020年までに自動運転車を実用化したいと考えています。また、交通事故全体の93%を占めているという人間の判断ミスによる事故をゼロにしたいという目標を掲げています。
自動運転車については事故の場合の責任の所在など、法整備の遅れが取り沙汰されています。言い換えればそれだけ技術的な問題はクリアされつつあると言えます。
こうした法的な側面が整備されていけば、将来的に自動運転車が街中を走り、免許もいらなければ交通事故もない、そんな未来が実現するかもしれません。
世界中がネット環境に?気球をWifiにする「プロジェクト・ルーン」
ネットに依存する現代社会において、ネットに接続できないと途端に私たちは羽をもがれた鳥のようになってしまします。そんな社会を変えるのがプロジェクト・ルーンです。これは飛行機が飛ぶ高さの2倍高い成層圏まで気球を飛ばし、そこにインターネットの基地局を浮かべ、空中でインターネット回線を作ってしまおうという壮大かつ突拍子もないプロジェクトです。ネット回線を引くには多大なコストがかかる地域にネット環境を整え、インターネット格差を解消するという志のもとにスタートしました。離島や山岳地帯、ジャングルなど、人があまり住まない地域のネット環境整備は後回しにされます。世界の3人に2人はインターネットにアクセスできないとも言われています。プロジェクト・ルーンが実現すれば、世界中どこでも誰でもネットにアクセスできるようになります。情報格差は解消され、誰しもが平等に情報を受け取る社会が実現するでしょう。
健康診断もGoogleがやる?病気は「検索」する時代に
Googleは医療分野においても研究開発を進めています。Googleが進めているのはナノマシンを含むカプセルを服用することによって、癌細胞などの異常を常にモニタリングするという医療プロジェクトです。超小型のマシンが体内を循環して病気や異常を「検索」してくれるという驚くべきものです。
このテクノロジーが実現すれば、定期健診でしか発見できないような病気をリアルタイムで発見することが可能になり、医療は治療から予防へとシフトしていくと予想されます。体内のモニタリング結果からコンピュータがその人に合った食習慣、生活改善を指示するといったことも考えられます。つまり、全ての人がデジタルな主治医を持つという未来が待っているのです。
おわりに
Googleはもともと検索エンジンの開発からスタートした企業でした。それが現在ではでデジタル世界を飛び出し、様々な分野で革命的サービスを開発しています。いつの時代も世の中が変わりゆくのは当たり前でしたが、現代においてそのスピードはあまりに急速です。その牽引役がGoogleであるのは間違いないのではないでしょうか。