パワーは十分、走りはスポーティかつ上質
エンジンはフリーランダー2と同じ「204PT」型で、2.0Lの直列4気筒ターボは、240ps/5500rpm、340Nm/1750rpmというアウトプットも同じだが、フリーランダー2のアイシンAW製の6ATからZF製の9ATに多段化されている。
多段化されたトランスミッションのおかげもあり、パワートレーンのフィーリングは極上とまでは言わなくてもスムーズで十分なトルク、そして高速域のパンチ力もあり、スポーティな走りが可能だ。
背が高い割にはコーナーで大きく傾くような姿勢を崩すこともなく、ワインディングでも気持よく走らせることができる。乗り心地もランドローバーらしい上質感があるものの、全高があるせいか少しボディが揺すらせるシーンもあり、こちらはオプションの「アクティブ・ダイナミクス(マグネライド可変ダンパー)」を選べば乗り心地はより上質になるのではないだろうか。
電動パワーステアリングやトルクベクタリングの採用などもニュースだが、両者ともに公道の法定速度内であれば癖を感じさせない自然なフィーリングであるのも好感が持てた。
激戦のミドルサイズSUVでも光る良作
今回、撮影日前日に季節外れの大雪が振ったものの、フルタイム4WD性能を試すほどの悪路走行をする機会はなく(タイヤも含めてだが)、ランドローバーの魅力はほんの味見をした程度。
それでも7人乗りを実現したパッケージングの良さ、その恩恵である居住性、積載性の高さ、そして快適性とスポーティさのバランスがとれた走りのいずれも期待を裏切らない仕上がりで、このクラスのSUVを狙っている人にとっては嬉しい悩みが増えたといえそうだ。