衝撃のオープンモデル、レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルが登場

レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル

イヴォーク・コンバーチブルのボディサイズは全長4385×全幅1900×全高1650mm。クローズドボディのクーペよりも45mm全高がアップしている


「レンジローバー」ブランドのコンパクトSUVであるイヴォークが日本で発売されたのは2012年3月。

いまや都心などでよく見かけるようになったレンジローバー・イヴォークだが、エクステリアデザインのインパクトは絶大らしく、街中でこれほどの視線を浴びるクルマは久しぶりで、信号待ちでは恥ずかしいほどだった。

それまでのレンジローバー(ランドローバー)車といえば、着実に高級感を高めながらも無骨な雰囲気を残していた。しかし、SUVにクーペ風のエッセンスを加え、スタイリッシュになったイヴォークは斬新というキーワードがピタリと当てはまっていた。事実、ディーラーに新規客を呼び寄せ、新たなユーザー層獲得に貢献したモデルだという。

日本導入から4年半、街中に溶け込んだレンジローバー・イヴォークをコンバーチブルに仕立てたレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルは、このサイズ感、SUVというカテゴリーでコンバーチブル化されたインパクトは大だ。

日産ムラーノ・クロスカブリオレというモデルもあったが

日産ムラーノ・クロスコンバーチブル

2ドア化された日産ムラーノ・クロスコンバーチブル。北米向けモデルで日本には導入されなかった。コンバーチブル化に伴い2ドア化されている。現在は北米でも販売を終えている


SUVをオープンに仕立てたモデルとしては、北米向けの日産ムラーノ・クロスカブリオレというモデルがあり(現在は生産終了)、日本でも並行で入ってきているようだが、イヴォーク・コンバーチブルはジャガー・ランドローバー・ジャパンによる正規輸入モデル。どれだけ売れるか分からないが、「よくぞ入れてくれた」というのが正直なところだ。

世界的なSUVブームのいま、圧倒的な違いを見せる変化球としてどれだけ追従者(車)が出てくるか分からないが、イヴォーク・コンバーチブルをオープンにして走り出すと、周囲のクルマや歩行者からの視線を感じるのは単なる自意識過剰!? ではなかったと思う。

適度な開放感と包まれ感の高さが印象的

レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル

イヴォーク・コンバーチブルのグレードは「HSE DYNAMIC」のひとつ。価格は765万円。多彩なオプションを用意する


ルーフを開け放ち、前席に座るとAピラーがすぐ迫って感じるため、完全なる「開けっぴろげ」というほどではない。しかも、バスタブのような適度な包まれ感がある。ドア上部のベルトラインが高めに設定されているのがこうした感覚を抱かせるのだろう。

それでいて、ヒップポイントやアイポイントはSUVだから高めで周辺を少し見下ろすような感じになるのが不思議だ。屋根を閉じればSUV的な、いやイヴォークらしい適度なタイト感がある。SUVをオープンにするとこうした視界や開放感になることは想像できるが、体感してみると本当に心地良い。

48km/h以下なら走行中でも開閉可能

レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル

横転時の乗員保護もありAピラーが強化されているため、やや存在感があるが、ルーフを開ければ青天井の開放感を味わえる。なお、開閉用スイッチはドリンクホルダー横に配置される


ルーフの開閉は21秒でオープン、18秒で格納することが可能。ボディサイズが大きく、4シーターであることを考えると時間が掛かるのは理解できるところ。48km/h以下であれば走行中でも開閉できるから急な雨でも慌てることはなさそうだ。

2ドアであるため、後席の乗降性、足元スペースはクーペ的で広くはない。しかしオープン状態であれば頭上に注意する必要がないため、大きなドアの開閉に気をつければ乗り降りも足元以外は苦にならない。
レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル

前席はシートサイズが大きく、大柄な人でもゆったり座れるはず


また、2人掛けの後席は、座ってしまえば横方向はもちろん、前後席のタンデム方向も大人2人が座るのに必要な足元空間が残される。大人4人で海岸線や新緑の心地よい高原などをゆったりドライブすれば楽しさが倍増しそうだ。

軽快な走りも魅力

レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル

2人掛けの後席も大人が実用になる足元空間(前席のスライド位置によるが)とシートサイズが確保されている


2.0Lの直列4気筒ターボと9ATの組み合わせになるパワートレーンも思いのほか力強い。ベース車もこんなに走ったかな? と思わせるほど軽快感があり、1人乗車ではあったが、首都高速を走らせる程度なら必要十分以上の動力性能が確保されていた。大人4人乗車でもモアパワーを抱かせるシーンは少ないのではないだろうか。

オープン時のボディ剛性感の高さも印象的で、速度や路面を問わず不快な振動やノイズを伝えてこないのも美点といえそうだ。クローズドボディのベース車と乗り比べればこれだけの大開口だけに剛性の低下は当然あるだろう。それでも、快適性がきちんと担保されているように感じた。

オープン時の風の巻き込みも長めで太いAピラーやオプションのウインドウ・ディフレクターが効いているのか、両サイドのウインドウを上げておけば首都高速でも車内は比較的平穏だった。

安全性も確保されている。横転時の乗員保護では強化されたAピラーをはじめ、リヤクォーターパネル内に展開式ロールオーバー・バーを装備。万一、車両が横転すると自動的に2本のアルミバーが90ミリ秒で作動するもので、乗員の保護スペースを確保するもの。そのほか、ステレオカメラを使った自動緊急ブレーキ(ABE)やレーンディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告)なども設定されている。

日常使いもOK

レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル

荷室容量は251Lを確保。中央部にトランクスルー機能も用意


荷室スペースは251Lという容量で、欧州Bセグメントのコンパクトカー並だが日常の買い物程度なら不足はないはずだし、2人乗車までなら後席を荷物置き場にもできる。さらに、後席背もたれ中央部をトランクスルーとすることも可能で、スキーやスノーボードなどの長尺物も積載できる。

世界的なSUVブームにあって、個性化が図られているニッチなモデルが増えているが、2016年現在の日本にはない。今後もコンセプトカーを発表したフォルクスワーゲンなど、SUV、クロスオーバー系コンバーチブルが出てくるかもしれない。