圧倒的な悪路走破性の高さと安心感

レンジローバー・スポーツ

ディスカバリー・スポーツの2016年モデル。価格帯は846万~1605万円。試乗車は1135万円のHSTで、ブラックのルーフやスポイラーが目を惹く


長野県の鹿島槍スキー場周辺で開催されたジャガー・ランドローバー・ジャパンのプレス向け雪上試乗会に参加した。

ランドローバー(レンジローバー、ディスカバリー含む)各モデルの魅力は、やはり悪路走破性の高さだが、オフロード専用コースを走らせる趣味でも持っていない限り、その真価を味わい尽くすことは日本ではほとんどないだろう。

多くの人にとっては、雪上や氷結路、整備された林道などが中心のはず。スキーやキャンプなどのウインタースポーツやアウトドア程度であれば本格4WDでなくてもこなせるはずだが、悪路走破性の高さや安心感を味わってしまうと離れがたいという魅力を備えているのも確か。

試乗したのは、レンジローバー・スポーツの2016年モデルと、ディスカバリーの2015年モデル。そしてクローズドコースにジャガーFタイプというFRの本格スポーツカーも用意されていた。

雪上でも軽快でスポーティなレンジローバー・スポーツ

レンジローバー・スポーツ

レンジローバー・スポーツに用意されているテレインレスポンス。路面状態を示すイラストに合わせるだけで最適な4WD制御で容易に悪路を走破できる。2016年モデルの価格帯は846万~1605万円


レンジローバー・スポーツの2016年モデルには、今回用意されていた「HST」グレードにもオンロードでも試乗したことがあったが、雪上は初めて。

装着されていたタイヤは、コンチネンタルの「コンチ・バイキング・コンタクト6」というスタッドレス。横滑り防止装置との連動効果に重点を置いて開発されているそうで、ドライと雪上、氷上との相反する性能の両立を謳っている。

鹿島槍スキー場周辺は、除雪が行き届いている道路(ドライとウェット、雪上が混在)と雪上など様々だったが、公道で流れに乗る程度なら当然ながら安定感は抜群で、何ら気を使わされるシーンはない。

また、モーグルや急坂などが用意された特設クローズドコースでも圧倒的といえる走破性で、雪上や轍、砂地向けなど「テレインレスポンス2」のモードをどれにしてもほとんどクリアしてしまうほど。岩場向けの「ローレンジ」もほとんど出番がないほどだった。ほかにもペダル操作なしで、一定速度で急坂を降りられる「ヒルディセントコントロール」もあり、ウインタースポーツの相棒としても頼りになるのはもちろん、レンジローバー・スポーツの軽快かつ正確なハンドリングや快適な乗り味も魅力だ。

本格派4WDらしいディスカバリーの味わい

ディスカバリー

2015年モデルのディスカバリーには、車間距離を維持しながらの走行をサポートするアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC) が用意され、高速道路を中心とした巡航時もより楽に走行できる


イヴォークも雪上コースで走らせたが、レンジローバー・スポーツよりも軽いため操作しやすく、こちらも元々の4WD性能が高いため、モーグルや坂道などの専用コースも難なくクリア。

公道で走らせたディスカバリーは、レンジローバー・スポーツから乗り替えるとヒップポイントやアイポイントがより高く、本格4WDらしい見晴らしの良さがまず印象的だ。ハンドリングはレンジローバー・スポーツから乗り比べると鋭さはないものの、雪上でも除雪を終えた公道でもゆったりしたストローク感のある乗り心地で非常に心地よい。

ディスカバリー

ディスカバリーの試乗車に装着されていたスタッドレスの「コンチ・バイキング・コンタクト6」


レンジローバー・スポーツと同様に雪上での安定感はすこぶる高く、スタッドレスタイヤの「コンチ・バイキング・コンタクト6」も滑る気配はない。湖に面した除雪されていない圧雪路や氷結路でも安心して走行できた。

ボディの見切りのしやすさも特筆すべきレベルで、狭い道でUターンする機会がったが全長4850×全幅1920×全高1890mmというサイズを持てあまさないのはランドローバーならではの美点だろう。

SUVでもボンネットの先まで見通せないモデルが多い中、取り回しのしやすさひとつとっても同社の見識の高さがうかがえる。乗降性や居住性からいっても非常用の域は出ないものの、3列シートも装備されているからファミリーユースにも応えてくれる。現行のランドローバーではやや古いデビューではあるし、価格も715万円~840万円と高めではあるが商品力の高さは健在という印象だ。

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