今や住まいづくり重要なポイントとなっている「エコ」。一般的に太陽光発電システムを搭載した住宅、あるいはスマートハウスなどが「エコな住まい」とイメージされているようですが、本当にそんな理解で良いのでしょうか。実は住まいのエコは、より奥深い世界なのです。そこで、今回の記事では、環境に優しい住まいづくりにはどんな手法があり、どこまでできるのかということを考えていきます。

スマートハウスのアイテムがあれば「エコ」なの?

スマートハウスなどがエコな住まいと考えられているのは、太陽光発電システムなどの創エネ設備や、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)などの省エネ設備、家庭用蓄電池などの蓄エネ設備があることで、なんとなく「環境に優しそう」と思われているのだと思います。

開口部

大きな開口部。軒の出を深くすることで、夏は直射日光を遮り、冬は日の光を居室の奥まで導くことができる。このような工夫で、証明を過度に使わなくてすみ、結果的にエネルギーの削減につなげることができる(クリックすると拡大します)

しかし、それらはあくまで設備の話。まだまだ、環境に対して配慮する方法があります。例えば、光や風を取り入れやすい間取りとすれば、それだけでエネルギーの削減が期待できます。また、建物の周辺環境を整える、つまり緑をうまく活用することでも同様の効果が期待できます。

ちなみに、設備に頼る環境への配慮を「アクティブ手法」といいますが、後者のような自然環境を住まいに積極的に取り入れる考え方を「パッシブ手法」といいます。

新築時に発生する廃棄物の量を少なくし、廃棄物をリサイクルできるようにすることもエコな住まいづくりにつながります。つまり、エコな住まいづくりを考えると、建物そのものだけでなく、建物の作り方などを含む様々なことを考慮すべきだということです。

一方、次のような考え方も大切です。エコな住まい、あるいはエコな暮らしをするために「快適さ」を損なうようだとダメだということ。スマートハウスなどがエコな住まいとして定着しているのは、快適性を損なわずエコな暮らしができるから、ということです。

エコには二つの意味があるように思います。「エコロジー」と「エコノミー」。環境に優しいと、快適性を含めた経済性も両立していなければ、今の世の中では普及が望めないということ。環境に優しいだけでは、家を新しく建てたい、買いたいという動機になりづらいのです。

一つ強調したいのは、スマートハウスだからエコな住まい、あるいはエコな暮らしができるとは言い切れないということです。要はスマートにも色んな性格のものがあり、私たちはその善し悪しを判断できるようにならなくてはいけません。

積水ハウスが「エコ・ファースト パーク」をオープン

では、それらの判断をするための材料が学べる場所があったらいいと、皆さんは思いませんか。実はつい最近、できたのです。先日オープンした「積水ハウス エコ・ファースト パーク」は今、国内で住まいとエコの関係について最も材料が揃い、皆さんにとって分かりやすい場所だと思います。

パークの様子

「積水ハウス エコ・ファースト パーク」の様子。3棟の建物があるが、これらは全て移築されたものだ(クリックすると拡大します)

関東工場(茨城県古河市)の敷地内に設置されたもの。以下の施設で構成されています。
・「ゼロエミッションハウス」
・「サステナブルデザイン ラボラトリー」
・「観環居」(かんかんきょ)
・「生きものの庭」
・「資源循環センター」


それぞれの詳細は後ほど紹介しますが、この施設は積水ハウスのこれまでの環境配慮の取り組みが全て詰まった場所なのです。一部、現在のスマートハウス仕様も導入されていることから、住まい関連のエコについて最も内容が濃い施設と考えられます。

建築や造園について学ぶ学生のほか、もちろん小中学生などの社会科見学・環境教育の場としても公開されるといいます。また、住まいと環境に関する講座など、一般の方々を対象にしたプログラムも開催されるそうです。

要するに、環境に優しい住まい・住まいづくりについて広く公開されているということですから、関心のある方は是非一度見学されてみてはいかがでしょうか。

次のページでは、同パークの内容について写真で紹介します。