写真撮影/写真撮影の基礎知識

【生活彩るカメラ術9】 花・植物を印象的に撮るコツ

花の写真を撮ることは多いと思いますが、写真ごとに違いを持った写りに仕上げることは難しいものです。見慣れた被写体であるだけに、決まり切った撮り方に落ち着いてしまいます。それを踏まえて、今回は植物をより印象的に撮るヒントをご紹介しましょう。

瀬川 陣市

執筆者:瀬川 陣市

写真撮影ガイド

きれいな花が咲き始める季節は、お気に入りの被写体にレンズを向ける機会が増えてきます。しかし、毎回同じような写真しか撮れず、撮影が少々マンネリ気味になっているという方も多いのではないでしょうか。そこで、花をより印象的に撮影するためのポイントをまとめてみました。

クローズアップで攻めると印象度が変わる

一般的に、花の撮影は花全体または根から花先まで入れて撮られることが多いです。形や種類を認識するための全体を含めたフレームワークは大事な一枚。花を撮影するときの基本形といっていいでしょう。

しかし、この基本の形ばかりで撮られた写真ばかりが揃うと、どうしても同じような印象に見えてしまいます。この基本形から脱皮する方法のひとつがクローズアップ撮影です。

使用しているカメラに近接撮影が出来るマクロモードが付いていれば、マクロモードをONに設定しましょう。ただし、機種ごとに最短でピント合わせが出来る距離(被写体に近づける距離)は異なります

マクロモードを設定できたら、レンズを花にグッと近づけてみましょう。ピントの合わせる部分を大まかに決めておき、その部分にフォーカスポイントが来るようにします。マクロ撮影では、ピントが合った箇所以外はボケて写りやすくなるので、このピント合わせが重要です。

花の中心部にクローズアップさせるのであれば、花弁をピント合わせの目標にすると撮りやすくなります。最初は、ピントを合わせたい箇所をフレームの中央付近に入れると上手くいきやすいです。ピントが合えばそのまま撮影します。

植物撮影

花弁にピントを合わせてクローズアップ撮影。大胆なクローズアップで印象度が大きく変わる。


植物撮影

花びらにピントを合わせて撮影。花びらだけをフレームに入れるとどこか幻想的な雰囲気にも写る。


撮り方のコツがつかめたら、ピントを合わせる箇所やフレームのサイズを変えてみるとバリエーションが増えていきます。

このようにクローズアップさせるだけで、これまで全体が写る「引きの写真」を撮ってきたものとは違う印象の写真が加わります。

次のページでは、太陽の光を利用して印象を変えると撮り方を紹介します。


 

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