大正3年創業の「翁そば」でいただくカレー南蛮そば
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気軽に始めてしまった「浅草老舗飲食店巡り」だけれど、調べてみて驚いた。江戸時代に創業し、今日まで暖簾を守っている店というのが、浅草にはとても多い。ちょっと1回の記事では紹介しきれないので、シリーズ化したいと思う。さて、この日、取材に出かけたのは「翁そば」。創業は大正3年。浅草六区通りには、浅草にゆかりのある芸人さんの写真を飾った街頭がある。その街灯の「Wけんじ」と「青空球児好児」の間の路地を入って行くと、どう見ても老舗だろうというお店が並んでいる。
路地の手前には「水口食堂」、その奥が「あるぷす」。どちらも老舗の大衆食堂だ。実はこのどちらかへ行こうと思っていたのだけれど、なんと両方ともお休み。ならば、「翁そば」か。しかし、この日は暑かった。翁そばといえば、カレー南蛮が有名だ。それを食べたいけど、暑いからなぁ。まあ、冷やしきつねでもいただくか。そう思って暖簾をくぐった。
お昼をかなり過ぎていたこともあって、店内に先客がひとりだけ。高齢の職人風の男性がちょうどカレー南蛮を食べ始めたところで、いい香りが漂っている。最初の計画は吹き飛んで、「カレー南蛮」と注文。お店の女性から「お蕎麦でいいですか」と聞かれ「はい、お蕎麦でお願いします」と答えた。うどんもあるようだ。
あとからきたお客さんが「カレーそば、ルー別で」と注文していた。どうやら、それだともりそば風なんだろうか。そっちにすればよかったか。やってきたカレー南蛮そばは、ごくふつうのビジュアルだ。
しかし、箸を入れて驚いた。感触が少し違う。おつゆではなく、その下はお蕎麦がぎっしり。持ち上げてみると太打ちの蕎麦だ。それがこれでもかと大量に入っている。独特なスタイルだ。具は鶏肉と玉ねぎというシンプルさ。これもいい。たいして辛くはないと思っていたけれど、食べ進むと額に汗がじんわり。ああ、これは名物になるのはよくわかる。気がつけば、店内ほぼ満席。といっても4人がけテーブルに1人ずつというかんじ。全員が男性で、年齢は30代から40代とみえた。ここはハマるね。
帰宅して、ネットで調べてみたら、創業が大正3年と書かれているのを見つけた。で、こちらの「冷やしきつね」の画像を見ていたら、食べたくなり、再び出かけてしまった。「冷やしきつね、お願いします」と注文したつもりだけれど、あとから、あれ、いま、自分は「きつね」って言ったんだっけ、「たぬき」って言ったかも。しばらくすると、その答えがやってきた。
「たぬき」だった。まあ、どちらも美味しいからいいんだけど。って、食べてみると、太目のお蕎麦が旨いね。ほうれん草もいい。最期は残ったおつゆにそば湯を入れて飲む。うまいねぇ。
■翁そば (おきなそば)
東京都台東区浅草2-5-3
11:45~15:00
16:30~19:30
定休日:日曜日
【関連サイト】
浅草名物!翁そばのカレー南蛮蕎麦を食べよう。 | 浅草観光のオトモ