介護

リハビリを支える「家族」の役割:家族サポートのコツ

リハビリ成功の秘訣は「家族」のサポートにあり。脳卒中や骨折の後に行われるリハビリは、病状や障害の程度、年齢によって成果の現れ方に個人差が大きいと言われていますが、本人の意欲と家族のサポートによっては専門職を驚かせるような「奇跡の回復」を見せることもあります。リハビリの成果をより高めるために知っておきたい3つのポイント、最終回は「家族サポート」編です。

執筆者:中山 奈保子

リハビリの成果を高めるコツ3つ:「家族サポート(環境)編」

在宅リハビリ

リハビリ成功の秘訣は「家族」のサポートにあり。本人の意欲を引き出し、周囲をあっと驚かせる回復を見せることもあります。

リハビリが他の一般的な医療と大きく異なる点の1つに、リハビリを行う本人の「意欲(やる気)」がその成果に影響を与えることが挙げられます。医者に処方された薬を飲めば治る病気や手術を受ければ完治する病気とは異なり、リハビリを行う本人が目標や手段を選び、それらに積極的に参加する姿勢が必要です。

前記事:リハビリの要「意欲(やる気)」を持続させるには?

また、リハビリでは身近な家族による支えが、その成果を後押しすると言われています。……ある日突然、大切な人が仕事や日課を失い絶望の縁に立たされている時。最も身近な存在として、何をどうサポートしていったらよいのか。リハビリを支える「家族」の役割やサポートする際のコツを紹介します。


1.期待と心配のし過ぎは禁物

「危ないから一人で歩かないで!」「トイレに一人で行けるようになったら家に戻りましょうね」……これが、本人の能力や目標、リハビリを開始するまでの経緯に見合った言葉であれば問題ありませんが、その多くが家族側の理由による言葉であるのなら要注意です。本人の「できる」部分にまで手を貸しすぎていないでしょうか?また、リハビリの目標は本人を交えしっかりと相談できているでしょうか。

リハビリ中の家族に対し、「何をどこまで手助けすれば良いか」「いつまで・何ができるようになるか」分からない場合は、担当の専門職に確認しておくと良いでしょう。理学療法士や作業療法士、介護福祉士などの専門職が、本人の力を引き出すための介助方法・声がけ方法を詳しく指導してくれます。

リハビリをサポートする立場として、心の余裕を持つことも大切です。どこかで負担・不満を抱いたままでいると、リハビリ中の家族にキツく当たってしまったり、漠然とした不安を募らせがちとなります。特に在宅介護では、介護をする家族が自分の時間を作っておきたいものです。通所介護・リハビリサービスを利用し、自宅以外の居場所を確保する方法もその一つです。


2.身の回りの整理整頓と安全スペースの確保

病院を退院した後もリハビリを続けている方のお宅を訪問すると、身の回りの整理整頓や安全スペースの確保が不十分な様子がしばしば見受けられます。体を起こすことなく必要な物を自分で取れるようにと、ベッドの周りに日用品をぎっしりと並べているお宅。…「どうせ一人で出歩くことはないから」と言って、せっかく住宅改修で取り付けた“手すり”に洗濯物を干していたり、廊下や出入り口に物を積み上げ移動スペースを狭めているお宅などなど。

混沌とした生活スペースでは、本来の意欲や能力を十分に引き出すことはできません。何でもベッド周りに置き並べる例では、いつでも欲しいものに手が届くメリットがある反面、必要以上に手足を動かすことがなくなり、身体機能の低下につながります。例えば、種類ごとに分類し引き出しやケースに収納すれば、手足を動かして物を取るだけではなく、「脳」が適切な場所に整理整頓しようと記憶力や思考力を働かせることができます

生活スペースが整理整頓されていると、リハビリを進めていく上で「目標」を見出しやすくなるメリットもあるようです。訪問リハビリを開始する人のお宅で、生活スペースの整理整頓を進めていくと「あの壁をつたってトイレに行けるかしら?」「窓から見える風景を眺めてみたいな」などと新しい目標(暮らしのイメージ)を持つ人が多いように思います。

生活スペースの整理整頓を常に心がけることで、地震や火災など緊急避難が必要になった時にも被害を最小限に食い止めることができます。周辺に物が散乱していると避難や救助に遅れが生じますので、人が通るスペースも含めてスッキリと風通しの良い環境を整えておきましょう。


3.家族の一員として「頼る」ことも大切

在宅介護

身体が不自由だからといって何もできないと決めつけてしまうのは良くありません。何か1つでも役割を見つけていきましょう。

「体が不自由だから」「歳だから」「病気になる前のようには動けないから」と言って、家族のなかで何一つ“役割”を持たない状況は、1日でもはやく改善することをお勧めします。電話が鳴ったら応答だけでもお任せする、庭木の手入れについては必ず指示を仰ぐ、子育てについての相談役、愚痴聞き役…などなど、家族が家族のために「頼る」場面を作ることが大切です。家族の力になっていると本人が感じる気持ち、家族がその役割を期待する気持ち、この2つをバランスよく維持していきましょう。


リハビリや家庭介護への関心は、実際に自分や家族が病に倒れた時にはじめて向けられることが多いのが現状です。あらかじめ、正しい知識と適切な運動により「リハビリで要介護状態を改善できる」ことだけでも知っていれば、病気や障害と立ち向かうことになった時に、不安や混乱を和らげることができます。


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