旭硝子が提案するガラスと情報の一体化
高 温の窯で溶解されて出来上がったガラスは、硬くてひんやりと冷たい感触。そのガラス(glass)を使って、AGC旭硝子は氷河のような空間に情報 (information)を映し出す、「GLACIER FORMATION」(AGCによる情報との新しい関係)を提案。まるでイリュージョンの世界に迷い込んだような空間展示です。高さ3 メートル、100枚のガラス、プロジェクター7台、30台のモジュールLED、3台のLED投光器を使って、ガラスに映像を投影しています。ガラスに特殊加工を施すことにより、透明なのに映像が投影できるという新製品「Glascene(グラシンーン)」。普段は普通のガラスのように使っていても、映像を映し出す と鮮明度が際立つという優れた加工技術によるものです。
氷河のようなガラススクリーン。スーパースタジオ・ピュー内 セントラルポイント(トルトーナ地区) FUORIMILANOでの展示(2015年4月14日から19日)
100枚のガラスを使った空間構成。空間デザイン:ARTENVARCH(アーテンバーク)川島範久 佐藤桂火 演出・テクニカルディレクション:LUFTZUG(ルフトツーク)遠藤豊 映像デザイン:qubibi(クビビ)勅使河原一雅 (Photo: Takehiko Niki)
AGC旭硝子の新製品グラシーン
「Glascene(グラシーン)」:画像を背景と重ねて表示。販促用サイネージ、交通機関向けサイネージ、電車車両内サイネージ、美術館向けサイネージ等で利用できる(画像:AGC旭硝子)
「infoverre(インフォベール)」:ガラスに液晶ディスプレイを直接貼る技術((画像:AGC旭硝子)
暮らしの情報がガラスに映し出される
私たちの住まいにとって、窓ガラスは欠かせない素材です。採光、眺望、断熱といった機能面に新たに加わるのは、ディスプレイ画面になるということ。窓や間仕切りガラスが画面として使えるようになると、壁掛けテレビが要らなくなります。情報化された家の中で暮らすようになる?「『私』は、ある時は情報を引き出し、ある時は情報の中に溶け込んでしまう。(空間デザインコンセプト文より引用)」(Photo: Takehiko Niki)
左:屋内と屋外をつなぐ窓 室内なのに屋外にいるかのような開放感があるLIXIL×伊東豊雄「住の先へ」 右:寝転んで映画を観るのはソファの上だけとは限らない リビング×バスルーム 蔦屋書店×東京R不動産「編集の家」HOUSE VISION 2013より
「新 しい常識で都市に住もう」を理念とするHOUSE VISIONの展覧会が、2013年に開催されました。会場として屋外のオープンスペースが使われ、これからの日本の暮らしの形を、具体的な住まいに落とし込んだ7 棟が公開されたのです。
そのHOUSE VISIONによれば、日本のものづくりを背景に住まいが総合家電になると言います。展覧会開催の2013年以降、スマートフォンやクラウドなどITが急速に進化普及し続けているなか、住まいは情報家電化の方向へとより一層進んでいくことでしょう。