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ドローン対策が異例の早さで進められる理由(2ページ目)

首相官邸の屋上に落下しているのが発見されたことで、日本でも規制が行われることが決まった小型無人機「ドローン」。政府はドローン対策新法を今国会中に「議員立法」で成立させ、違反者には1年以下の懲役か50万円以下の罰金を科す考えだが、これほど法制化が急がれるのはなぜか。また、議員立法による法制化とはどんな意味を持つのか。

松井 政就

執筆者:松井 政就

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ドローン=軍事目的の装置というイメージ

さらに、現在も軍事目的で米軍等が飛ばしている無人偵察機もドローンとして呼ばれることがあるといい、実際に『プログレッシブ英和中辞典』にもドローンは「(無線操縦による)無人飛行物体(ミサイルなど)」と明記されている。

つまりドローンという名前自体がそもそも軍事目的の装置をイメージさせ、軍事関係者や政府関係者の警戒心を刺激した可能性も考えられる。


議員立法による法制化の意味

そんなドローンによる問題を防ぐため、飛行禁止エリアの設定などを含む新法が制定されることになったが、その手続きは「議員立法」により、今国会中に行われる予定だ。

「議員立法」とは議員によって法律案が発議されるものを指し、内閣が法案を提出する「内閣立法」とは異なるプロセスを踏むもの。

日本では従来、内閣が法律案を作成して国会に提出する「内閣立法」が中心であったが、変化の激しい社会情勢に合わせて適切な法律を作る必要性から、問題意識を持つ議員ら自身が直接法制化に関わる「議員立法」は重要性が増している。

例として、平成12年に成立した「ストーカー行為等の規制等に関する法律」などがあるが、直近で言えば、与野党問わず超党派によって提出された通称”カジノ法案”が代表的

今回のドローン対策も議員立法によって行われるということは、国会議員がその重要性を認識していることの現れと言える。
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