顔立ちの“異質さ”がいっそう際立つS65
スワロフスキー輝くヘッドライト、ぎんぎらぎんに物々しいメッキグリル、豪華レーシングカーのようなバンパースポイラーと、とにかく顔立ちの“異質さ”が、他のグレード(550とAMG63)よりいっそう際立つ。メッキ装飾とベンツなんて、以前は最も縁遠いと思っていた組み合わせだけれど、今じゃ、すっかりメッキあしらいのプロになった。
S65には630ps/1000Nmの6リッターV12ツインターボを搭載。S550は455ps/700Nmの4.6リッターV8ツインターボ、S63には585ps/900Nmの5.5リッターV8ツインターボを積む
エンジンを掛けると、実にレーシーで荒々しいサウンドをしばらく奏でる。音量的にはアストンマーティン12気筒のボリュームを少し絞った程度だが、充分に迫力がある。AMG8気筒系の野蛮な炸裂音系とはまた違った、これはこれで聞き応えのある音だ。もっとも、荒々しいのは、ほんのわずかの間で、住宅地での迷惑度数も何とか許せる範囲に収まりそう。
ドライブの行程は、20台のスーパーカーと共に走るというものだったが、はっきり言って加速性能と高速安定性でこのクルマに優るモデルなど、最新モデルでも数台あるかないかのレベルだろうから、その気になれば全てを置き去りにすることもできたけれど、そこはオトナのエレガントクーペである、先頭に出てから走行車線に戻り、全車に追い抜かせて、じっくりスーパーカーの群れを見守った。
何といっても、高速道路でのクルージングでは、半自動運転がラクだ。クルーズコントロールを希望速度にセットし、全ての電子デバイスをオンにしておけば、ほぼほぼ自律で走行する。今に、「アナタ、運転なんかしないでよ!危ないじゃない、クルマに任せておけば安全よ! 」なんて言われる時代が来るに違いない。