ネット小説家に、ボツはない!

今秋アニメ化決定の「櫻子さんの足下には死体が埋まっているは小説投稿サイトから生まれた書籍か作品。」

今秋アニメ化決定の「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」は小説投稿サイトから生まれた書籍化作品。


文章系公募の最高峰と言えば小説(文芸賞)でありますが、ハードルが高いのはいうまでもありません。受賞すれば出版という夢を実現できるほか、高額賞金を得ることも可能ですが(作家として生き残るにはそこからが苦難の道なのかもしれませんが)、商業作家になるためには、多くの作家志望達と選考委員、そして自分との死闘を繰り広げなければなりません。
 
そんなわけで、せっかく何か月もかけて書き上げた小説も選考を勝ち抜けなければ、一瞬でボツになり、世の中に出ることはないわけです。作者は自分の力不足だとわかっていても、なぜなんだ、選考委員っ!と八つ当たりしたくもなるでしょうし、選考を突破できないと、最悪、執筆するためのモチベーションが保てなくなることにもなりかねません。ガイド自身もそのようなことばかりで、よく筆が止まります(笑)
 
そこで、そんなメンタルの弱い作家志望の方々にオススメしたいのが“ネット小説”。ネット小説とは、PCやスマホ、タブレットで手軽に楽しめる小説のことで、一般ユーザーが自由に投稿しているもの。一時、ガラケーを主な媒体とした“ケータイ小説”が流行りましたが、今は端末の画面が大きくなったことにより、紙の本と大差ない文字量の作品が手軽に読めるようになったことで、ますます人気を集めているコンテンツと言ってよいでしょう。
 
このネット小説の強みの一つは投稿が自由であるため、ボツとは無縁であること。商業出版やコンテストとは異なり、編集者や選考委員がいない分、作品のクオリティは作者次第ということになってしまいますが、たとえ面白くない作品であってもボツにされることがないため、作者は作品を延々と思う存分書き続けられるのです。
 
メンタルの弱い作家志望の方も本気で小説家デビューしたい方もネット小説にはこうした誰にも邪魔されず、すぐに作品を公開できるメリットがあります。

ズバリ小説投稿サイト担当者に聞く!書籍化される条件

「ソードアート・オンライン」、「魔法科高校の劣等生」(いずれもKADOKAWAアスキー・メディアワークス刊)と言えば書籍化&アニメ化もされた人気作であり、これらは元々ネット小説サイト「小説家になろう」に無料で掲載されていたものでした。
 
また、今秋にもアニメ化が発表された「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(KADOKAWA角川文庫刊)は投稿コミュニティサイト「E★エブリスタ」で発表された作品が同サイト内で開催されていたコンテストに入賞し、書籍化となっています。
 
この他にも「小説家になろう」、「E★エブリスタ」では様々な作品が出版化されていますが、では一体どのような作品が書籍化され、一般書店に自分の名前が入った作品を並ばせることができるのでしょうか。それぞれの担当者に話を伺ってみました。
 

Q、ネット小説から書籍化される作品には特徴がありますか?

 
「小説家になろう」担当者:「人気のある作品を書籍化ということで、ランキングに入った作品が書籍化される傾向にあります。しかしながら出版社によっては『ランキング等のユーザー評価は重要視していない』ということもあって、特徴には違いがあるように思います」
 
「E★エブリスタ」担当者:「やはり“読んで面白いこと”ですね。これに尽きます。また、エブリスタとして出版社にプッシュすることもあるのは弊社の特徴の一つかもしれませんね。出版社ごとにマッチする作品の色もあるので、その辺りを見極めて推薦しています」
 
当然のことながら、人気がモノを言う世界。読者から支持される作品が書籍化される傾向にあるようですが、ユーザー評価を最重要視していない出版社が存在するというのは少々驚きですね。運営サイトからプッシュして貰えるのも書籍化を夢見る作家志望には心強い限りです。

 Q、小説投稿サイトから出版化される傾向が高まっている理由は?

「小説家になろう」担当者:「人気があることが明確になっている作品であれば、書籍化した際に安定した売上を見込めるという点が一因であるかと思います。また、弊社サイトに掲載されていた『魔法科高校の劣等生』や、元々はweb小説だった『ソードアート・オンライン』などがアニメ化される等の人気を博しているため、十分な実績が出来てきたことも大きいかと思います。
 
人気=実売に結びつくマーケットの存在はリスクが少なく、出版社としてもオファーを出しやすいのかもしれません。

 Q、実際のところ、出版関係者が目を光らせていることは多い?

「E★エブリスタ」担当者:「多いと思います。特にエブリスタでは大手出版社との共催で小説公募イベントを開催することも多いので、その場合は必ず共催の出版関係者の目にとまります。過去には受賞は逃したものの最終選考に残った作品や、ランキング上位になった作品が書籍になった実績もあります」
 
「エブリスタ」、「小説家になろう」の出版化作品をサイト内でも見ることができますが、特徴的なのは著名なレーベルから新進気鋭のレーベルまで多彩な出版社から書籍化が成されている点からも分かるように、どの出版社もヒット作を探しているのが伺えます。コンテストに挑戦しやすいのも小説投稿サイトの魅力のひとつですが出版化する前にも関わらず、読者や出版関係者の目に触れさせることができるのは大きな利点と言えるでしょう。

まずはネット小説、やってみればいい!

ヒット小説の新たな登竜門として注目されるネット小説の世界。小説なんて自分には書けないし、面白いものが書けるかどうかはわからないと思うあなた。気楽な気持ちでネット小説を公開してみたら案外、人気作になって出版されるかもしれませんよ?
 
最後に、取材にご協力頂いた「小説家になろう」、「E★エブリスタ」から読者にメッセージを頂いたのでご紹介致します。
 
「小説家になろう」担当者:「弊社はスマートフォンやパソコンといった端末さえあれば誰もが無料で小説の読み書きができるサイトです。インターネットにつながる環境さえあれば電車での移動中とかちょっとした休み時間でも小説を読んだり書いたりできます。まずはぜひ細切れの時間を使って小説を読んでみてください」
 
「E★エブリスタ」担当者:「当サイトには220万以上の小説が投稿されています。読者の方にはお気に入りが絶対見つかる小説投稿サイトです。書き手の方には小説投稿コンテストを多数開催しております。ガッツリ小説を書き上げていただく「エブリスタ小説大賞2015-16(http://estar.jp/event_plus/estar_grandprix/)や、作家初心者向けの文章量少な目の小説投稿コンテスト(http://estar.jp/lpr/curazy_movie)なども開催しております。『賞金がもらえるなら応募してみようかしら?』なんて動機で始めていただくのでも構いません。まずは一度、エブリスタに遊びに来てください!」
 
※E★エブリスタでは現在、1000文字以上から応募できる手軽な小説コンテスト「妄想旅行大賞」を実施中。大賞受賞者には妄想旅行先の往復航空券をプレゼント。応募は2015年6月7日まで。
http://estar.jp/.pc/_estar_award2_view?key=moso_travel
 
© 2015 太田紫織・エブリスタ/KADOKAWA/『櫻子さん』製作委員会
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