子どもが普通にLINEを使う時代に大人は何をするべきか
LINEに関するニュースには、犯罪やトラブルに関わるものが多いですよね。個人的には、それはLINE自体の問題でなく、たまたま現在若い世代でコミュニケーションツールとして使われているのがLINEだから、良くも悪くも話題になってしまうのだと感じています。
しかしLINEというツールの特性を知らないまま、どう使っても良いのかというと、そういうわけでもありません。
特に最近では中学生だけでなく、小学生までもがLINEを使うことが珍しくなくなっていますし、そうなるとデジタルツールであること以前に、まず「文字だけで人と関わるお作法」のようなものを知っておく必要があります。
必ずしもネットが現実の社会よりも危険と言い切るわけでもないですが、現実の社会でも子どもが足を踏み入れてはいけない危険な場所があるのと同様に、ネット社会でも子どもが踏み込んではいけない場所があります。
さらにネット社会では、悪意のある大人が子どもに接することが現実社会と比較して容易であるのも確かです。
現実もネットも、自分の経験が善し悪しを判断する最も良い方法かも知れませんが、保護者が正しく子どもを導くことも重要です。少なくとも自分の子どもがどのようにLINEをはじめとするネットを利用しているかについて、保護者が関心を持つことが子どもの安全を守るためには必須です。
子どものプライバシーを尊重することも大事ですが、トラブルに巻き込まれないように最低限のチェックをすることは、まだ自分だけでの判断が難しい年頃の子どもには必要ですよね。
不特定多数と友だち登録をしないように管理する
Twitterなどのソーシャルメディアとは異なり、LINEの基本機能は1対1のコミュニケーションです。そのため自分のアカウントが知らないうちに外に拡散すると言うことは、基本的にはありません。
LINEで友だち登録する手段は
- 対面でふるふるを使って追加する
- 友だちをトークに「招待」して追加する
- QRコードを読み込んで追加する
- ID検索で追加する
の4つが基本となります。
画面下部の「その他」を選択し、左上の「友だち追加」をタップすると4つの友だち追加方法のアイコンが表示される。
このうち1の「ふるふる」は、実際に相手に会わないと追加できませんので、基本的には安全と言えます。2の「招待」も、友だちに悪意がなければ不特定多数の相手に友だち登録されることはありません。
注意しなければいけないのは3と4の方法です。このふたつの方法を使うと、ネット経由で自分のアカウント情報が公開できるのです。
3のQRコードは本来画面に表示されたコードを、他のスマホで読み取り友だち登録する機能ですが、コードを画像ファイルとして保存してネット経由で公開してしまうと、LINEアプリでそのコードを読み込めば友だち追加されてしまいます。
万一、子どものQRコードがネット上に流出してしまった場合は「設定」→「プライバシー管理」で「QRコードを更新」をタップして、新しいQRコードに変更すれば、流出してしまったコードは使えなくなります。
「設定」の「プライバシー管理」画面で「QRコードを更新」すれば古いコードでは友だち登録できなくなる。
IDの年齢認証にも注意する
4のIDに関しては、スマホを子ども名義で購入していれば年齢認証によって、18歳未満はID検索ができないように制限されるのですが、もし親の名義でスマホを購入していると。IDの作成と検索ができてしまいます。子どもが18歳未満だから勝手に制限されているだろうと思い込んでいるとこのような穴がありますので、子どものアカウントが年齢認証可能かどうかを一度確認しておくと良いでしょう。
年齢認証はLINEアプリの「設定」→「年齢認証」で確認できます。
LINEのセキュリティーは友だちの管理が基本
このように不特定多数の相手と友だち登録をさせないことが、子どものセキュリティーを確保するための基本になります。LINEは標準設定のままだと、相手がこちらのアカウントを友だち登録してしまうと、自分が相手を登録していなくてもメッセージが送られてきます。
もちろん返事をしなければそれで良いのですが、登録していない相手からのメッセージを受信しない設定もできますので、子どものアプリにはこの設定をしておくと良いでしょう。
これはLINEのアプリの「設定」→「プライバシー管理」画面で「メッセージ受信拒否」をオンにすることで設定できます。
「グループ」でのやりとりに注目する
ニュースや身近な人の話を聞くと、LINEに関するトラブルのほとんどが「グループ」トークが原因となっているようです。グループ機能とは、1対1のやりとりでなく、複数の友人とひとつの画面でメッセージを送信し合える機能です。1対1ではあまりない「いじめ」的な内容が、グループになるとついエスカレートしてしまうという心理的要因が大きいのかも知れません。
子どもに過干渉するのもあまり賢明なやり方ではありませんが、時には子どもの許可を得てグループトークを読ませてもらうことも必要かも知れません。
もしそれで何らかの子どもに関するトラブルを見つけたのなら、上手にそのグループから抜けたり、気にしないような「スルー力(りょく)」を身につけるように子どもにアドバイスしてみましょう。