FP3級不動産・相続事業承継は例年並みの出題であった

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これまでの過去問解説に続き、2015年1月試験の問題(学科○×、不動産・相続事業承継)をもとに、解答・解説を公表していきます。

まず試験の総括から。2015年1月FP3級試験の不動産と相続・事業承継の○×問題に関しては、例年並みの問題です。特に難易度は変わっていないものと想定されます。そのため、過去問を繰り返し解くことが合格ルートへつながったといえましょう。

なお、下記に公表する過去問と解答解説は、試験直前に使うもよし、傾向を知ってからテキストや動画などで勉強するもよし、ご自由にご自身にとって最適な使い方をしていただければと思います。最終的には今回のほか、各課目において学科、実技すべて解説を行いますので、すべてをお読みいただければ2015年1月試験の傾向がつかめると思ってください。それでは解いていきましょう。

FP3級 不動産○×問題を解いていこう

それでは、2015年1月試験FP3級学科○×問題のうち、まずは不動産について解いていきましょう。正しいものまたは適切なものには○を、誤っているものまたは不適切なものには×を選んでください(問題番号は2015年1月試験過去問と同じ番号とします)。

(21) 建物の賃貸借契約(定期建物賃貸借契約を除く)において、1年未満の期間を賃貸借期間として定めた場合、期間の定めのない賃貸借契約とみなされる。

正解 ○
建物の賃貸借契約(定期建物賃貸借契約を除く)の存続期間は、1年以上となっています。そのため、1年未満の期間を賃貸借期間として定めた場合には、期間の定めがないものとして取り扱われます。

(22) 建築基準法の規定により、工業地域では住宅を建築することができない。

正解 ×
建築基準法の規定により、工業地域では病院や大学、ホテル・旅館は建築することができません。住宅や老人ホーム、診療所・保育所などは建築可能です。なお、工業専用地域では住宅は建築することができません。

(23) 贈与による土地・建物の取得に対しては、不動産取得税が課されない。

正解 ×
不動産取得税は、都道府県が課税する地方税であり、不動産を取得した者に課税されます。不動産取得時に課税されるため、贈与であっても課税されます。なお、相続の場合には課税されません。固定資産税評価額が課税標準額となり、税率は原則4%(特例で住宅・住宅用地は3%)となっています。

(24) 「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の適用を受けるためには、譲渡の年の1月1日現在において、譲渡資産の所有期間が5年以上でなければならない。

正解 ×
居住用財産の3,000万円の特別控除は、譲渡資産の所有期間の要件はありません。そのため、短期でも長期でも利用可能です。ただし、3年に1回しか利用できません。また、譲渡した相手方が、配偶者や直系血族、生計を一にしている親族など特別な関係にある場合にも適用されません。

(25) 不動産所得の金額の計算における総収入金額には、敷金や保証金などのうち、返還を要しないものが含まれる。

正解 ○
不動産所得の金額の計算における総収入金額には、家賃や地代、更新料、礼金など不動産の貸し付けによって得られる収入が含まれます。敷金や保証金に関しても、返還の必要がないものは総収入金額に含まれることになります。なお、借地権の設定にともなって受け取る権利金が、時価の2分の1を超えている場合には、譲渡所得となりますのでご注意ください。

FP3級 相続事業承継○×問題を解いていこう

次に、2015年1月試験FP3級学科○×問題のうち、相続事業承継について解いていきましょう。正しいものまたは適切なものには○を、誤っているものまたは不適切なものには×を選んでください(問題番号は2015年1月試験過去問と同じ番号とします)。

(26) 書面によらない贈与は、すでに履行が終わった部分を除き、各当事者が撤回することができる。

正解 ○
書面による贈与は撤回できませんが、書面によらない贈与の場合には、すでに履行が終わった(すでに贈与している)部分を除いて、撤回可能です。なお、贈与には、単純贈与、定期贈与、負担付贈与、死因贈与があります。4種類の違いは再度確認しておきましょう。

(27) 暦年課税による贈与税の計算において、同年中に父と母からそれぞれ贈与を受けた場合の基礎控除額は、220万円(110万円×2人)である。

正解 ×
基礎控除額は、何人から贈与を受けても110万円です。暦年贈与の場合、贈与税は、基礎控除110万円を差し引いた残りの金額に対して課税されることになります。

(28) 自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付および氏名を自書し、これに押印して作成する遺言であり、相続開始後に、家庭裁判所における検認手続が不要である。

正解 ×
自筆証書遺言の内容は正しいですが、家庭裁判所における検認は必要です。なお、秘密証書遺言に関しても検認は必要であり、公正証書遺言のみが検認不要となっています。この検認は、相続人に対して、遺言の存在と内容を知らせるものであり、遺言書の偽造や変造を防ぐための手続きになります。遺言の法的な有効性を確認するものではありませんので、ご注意ください。

(29) 相続税において、貸家の敷地の用に供されている宅地(貸家建付地)の価額は、「自用地としての価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」の算式により評価する。

正解 ○
貸家建付地とは、土地所有者が建物を建築して、貸家として貸し出す場合の土地をさします。この貸家建付地の相続税評価額は、自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)で計算されます。なお、一般的に借家権は30%で計算される場合が多いです。

(30) 相続人が複数人いる場合、相続の限定承認は、相続人全員が共同して行わなければならない。

正解 ○
相続の限定承認とは、被相続人(なくなった方)の財産のうち、相続人が受け継ぐプラスの財産の範囲内でマイナスの財産(例:借金など)を受け継ぐ方法をさします。限定承認を行う場合には、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所に相続人全員で申述する必要があります。なお、一度限定承認を行った場合には、撤回できませんのでご注意を。

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