好調の要因はラッキーボーイの出現?
このベテランの力投で今季3度目の4連勝、単独首位に浮上したDeNAは5月8日の巨人で、6対5と逆転勝ちし、新球団となって4年目で初の6連勝を飾り、2位・巨人との差を2.5ゲームに広げた。
中畑監督が胸を張る。「6連勝は私は初めてです。ただ、連勝よりもきょうの勝ち方がうれしい。目の前にある試合に全力を尽くす。あきらめないで戦った結果。弱いチームはそれしかない」。
弾む言葉の中にも気を引き締めることを忘れない。
横浜時代の2007年6月26日以来のチーム6連勝で首位をキープ。こういうチーム状態のときには、必ずラッキーボーイが出現する。2015年ドラフト1位の山崎康晃投手(22)。帝京高では甲子園に2度出場、亜大では1年春から登板し、昨春は5勝(2敗)で6連覇に貢献、最高殊勲選手と最優秀投手に輝いた。東都リーグ通算成績は38試合に登板、15勝6敗、防御率1.95。この右腕が今や“ハマの新大魔神”、“ハマの小さな大魔神”と呼ばれるようになった。
1点差で迎えた九回、自身最速の152キロストレートとツーシームで、代打・高橋由、橋本、代打・金城をすべて空振り三振に斬って取り、今季13セーブ目を挙げた。「緊迫した場面で投げることができてうれしい」とプレッシャーを楽しむとは、並のルーキーではなかなかできない。しかも、これで4月22日の阪神戦から9試合連続セーブをマーク。新人では1990年に中日・与田剛がマークした8試合を上回り、プロ野球新記録を樹立した。
この日の午前、4日のヤクルト戦で23年連続勝利を挙げた大先輩・三浦にかかりつけの理学療法士のもとへ連れて行ってもらった。体のケアはもちろん、「長く野球を続けるためのコツを教えてもらいました。息抜きも大事で、1つ工夫すれば長くプレーできるなど、いろいろとアドバイスをもらいました」と山崎。こういう良き先輩に恵まれることも、ラッキーボーイの必要条件かもしれない。
DeNAの6連勝は、横浜スタジアムでは4月22日の阪神戦から8連勝となり、6連勝も地元8連勝も2007年以来8年ぶり。貯金7(21勝14敗)は、1999年終了時(71勝64敗)以来で、2位に2.5ゲーム差以上つけた首位は、優勝した1998年以来と縁起がいい。
「想定外、想定外」と中畑監督は言いながらも、「これが現実」と自信もチラリ。投打の歯車も噛み合って、本物になってきたDeNAの勢いは、まだまだ続きそうだ。