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”元祖”に負けない”二刀流”大谷が開幕から3戦3勝

日本ハムの“二刀流”こと大谷翔平投手が4月12日のソフトバンク戦で、熊本でのプロ初登板を果たした。熊本といえば“元祖二刀流”の剣豪・宮本武蔵が晩年を過ごした地だ。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

“二刀流”宮本武蔵が過ごした地で、26年ぶりの快挙

“元祖二刀流”の地で大谷が快投。

“元祖二刀流”の地で大谷が快投。

何かの糸で結ばれていたのかもしれない。日本ハムの“二刀流”こと大谷翔平投手(20)が4月12日のソフトバンク戦で、熊本でのプロ初登板を果たした。

熊本といえば“元祖二刀流”の剣豪・宮本武蔵が晩年を過ごした地。寛永17(1640)年、57歳のときに熊本城主・細川忠利に招かれ、62歳で亡くなるまでこの地で過ごし、自ら創始した二天一流兵法を大成して“五輪書”などを著したことで有名だ。大谷本人は「教科書で読んだことしかない」という存在だが、ともに伝説を作ろうとする姿勢がだぶってくる。

また勝った。7回2安打無失点の9奪三振の好投で、開幕から3連勝。今季、開幕投手を務めた12人の投手で、3連勝は大谷だけ。しかも、チームの開幕投手の開幕から3戦3勝は1989年に西崎幸弘以来26年ぶりの快挙である。

「立ち上がりをどう乗り切るか(が課題)なのですが、今日も一回を乗り切れたのがすべてですね」

その立ち上がりは無死満塁のピンチを招いた。ここで迎えた内川に初球から5球連続150キロ超えし、藤崎台球場を埋めた1万5088人をどよめかす。2-2と追い込んだ後、外角低めに156キロ速球を投げ込み、見逃し三振に斬って取った。続く李大浩(イ・デホ)を一直併殺に仕留め、ピンチを脱出した。栗山監督は「難しいスタートの中、うまく切り替えてくれた」と称えたが、これが波に乗った要因だ。

圧巻は味方が1点を先制した直後の七回一死で松田に投じた4球目。降板間際の105球目に今季初の大台160キロをマークしたことだ。「意識して三振を取りにいった」とこの回、3者連続三振締め。尻上がりに調子が良くなるのは、今や大谷のパターンでもある。


地方球場で見せる、大谷の驚異の適応能力

大谷はプロとして大事な“強味”も見せた。帯広(1回0点)、函館(9回0点)、旭川(5回0点)、そしてこの日の熊本(7回0点)と、これで地方球場通算22回で1点も取られていない。「マウンドが軟らかかったりするので、あまり好きではないですが、悪いイメージはないです」と大谷。通常、投げ慣れないマウンドに手こずる投手が多い中、驚異の適応能力で地方球場を克服してしまうあたりが怪物なのかもしれない。

21歳未満の開幕投手が3戦3勝は、パ・リーグでは初。4月1日、(5番・DH)で出場したロッテ戦で、バックスクリーン直撃の今季初ホーマーを放った。野手出場2試合目、今季6打席目でのシーズン初アーチは、プロ3年目で自己最速だ。2ケタ勝利&2ケタ本塁打は、昨年よりレベルが上がりそうな“二刀流”。

“元祖二刀流”の地でそのギアがワンランク上がったことは確かである。
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