学力低下の原因とされていた「ゆとり教育」が見直され、今年の四月からは新学習指導要領の一部が先行実施されています。しかし公立学校に対する不信感を持つ家庭も多く中学受験の人気は衰えるどころかますます過熱しています。不況の影響も限定的な様子。
そんな状況の昨今、今は全く考えていなくても「将来は子供に中学受験させるかも」といった漠然とした思いを持つ親御さんのために「中学受験のために住みやすい街」を探ってみました。
選択肢豊富な府県庁所在地
まずは「近所に受験できる中学校があるか」。近くにあったほうが通学も楽なのはもちろん、オープンキャンバス等の公開行事に参加し入学前にその雰囲気を知るのにも便利です。関西でいちばん中学受験の選択肢が豊富なのが大阪市。写真は星光学院近辺の街並み。
洛南中学があるのは東寺の敷地内(写真は東寺の五重塔)
以下は近畿圏の各行政区別「受験できる中学校の数」のTOP5です。やはりというか、人口が多く都市機能の充実した府県庁所在地がずらっと並びます。
1位 大阪市(23校:共学9校、女子校10校、男子校4校)
1位 京都市(23校:共学13校、女子高8校、男子校2校)
3位 神戸市(14校:共学4校、女子高7校、男子校3校)
4位 西宮市(8校:共学1校、女子高4校、男子校3校)
5位 奈良市(7校:共学3校、女子高2校、男子校2校)
TOPは大阪市。女子校がいちばん多い都市です。関西の女子校としては最高峰を争う四天王寺中学校(天王寺区:大阪市営地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅徒歩5分)も大阪市内です。大阪府下で受験難易度トップとされる大阪星光学院も「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅が最寄り駅(徒歩2分)。府下の男女それぞれのトップ校が同じ駅に居並びます。
大阪市と同率TOPは京都市。共学が多いのが特徴です。難関中学として有名な洛星中学校(北区:JR山陰線「円町」駅徒歩15分)、洛南高等学校附属中学校(JR京都線「京都」駅徒歩13分)はどちらも「京都っぽい」校名ですが、洛星がカトリック系の男子校であるのに対して、洛南は東寺の境内にある仏教系の共学。似ているのは名前だけですね。
3位は神戸市。中学受験をしない人にも知名度抜群、全国的な知名度を誇る灘高校・灘中学(東灘区:JR神戸線「住吉」駅または阪神本線「魚崎」駅徒歩10分 )は東大進学実績では関西の学校でありながら全国TOPクラス。
4位は西宮市。「お嬢様大学」として有名な神戸女学院の系列である神戸女学院中等部(阪急今津線「門戸厄神」駅徒歩15分)は女子校として前出の四天王寺中学校と並ぶ難関校です。
ところで中学受験といえば、大切なのはお子さんにあった塾探し。次のページではエリア別に著名な進学塾をご紹介します!