“笑って、泣ける”コメディの定番を作った『フルハウス』
本作は、30分弱のいわゆる観客の笑い声が入るシチュエーション・コメディ「シットコム」。「シットコム」といえば、出演者がぼけて、バカをやって、笑かしてナンボなところがあるのだが、面白いだけではないのが、『フルハウス』の特徴である。
はじめに、面白いボケやオチをたくさん散りばめ観客を笑わせておいて、最後は、家族愛の大切さを感じさせるエンディングで温かくしめるのである。
最近の「笑って、泣ける」というファミリードラマの定番を作ったのが、まさに『フルハウス』なのである。
例えば、記念すべき第一話では、母親が亡くなり、父親の知人2人と急遽同居することになったため、一人部屋から二人部屋になってしまった10歳の長女。
妹と同じ部屋が許せなくて、妹に境界線から出るななどと、横柄な態度をとるものの、父親の説得により、母親が亡くなり、父には誰かしらのサポートが必要だという現実を受け止めるようになる。笑いを誘いながら、最後は感動でしめているのである。
シットコムといえば、四六時中笑い声が入っているコメディドラマという印象が強いが、あながちそうでもない。
作中に笑い声が入るのが苦手な日本人でも、楽しめるのが『フルハウス』だろう。
『フルハウス』続編への期待
最後に、2016年に公開される続編は、結構な確率で面白い作品に仕上がるのではないか、と筆者は予測している。というのも、前衛的な動画配信サービス企業「Netflix」の制作だというから。
「Netflix」では、オンラインでDVDをレンタルしたり、数多くの海外ドラマ・映画をオンラインで視聴したりすることができる。世界中に多くの会員をもつ巨大動画配信サービス企業だ。
近頃は、動画配信会社でありながらドラマを制作しテレビでは一切放送せず、動画配信のみで公開。そのドラマが見事海外ドラマの最高峰であるエミー賞を2年連続で獲得するなど、何かと話題を呼んでいる。
注目したいのは、そのドラマの制作方法である。膨大な視聴者データを分析し、誰を監督&主演にし、どのような展開にし、どのような視聴方法にするとよいのかを検証し、それをドラマに活かすなど、ビッグデータを活用している。
その「Netflix」の制作方法、戦略については、映画業界をはじめとする様々な業界が注目している。
“「Netflix」が制作するから、『フルハウス』続編も面白い”
というのは、安直すぎる気がするものの、あの「Netflix」なのだから、ただのシットコムではないはず、と、公開前から期待度は当然、他の続編ものよりも高い。
続編が公開される前に、オリジナルの『フルハウス』シーズン1~8をぜひ復習しておきたい!