マネークリップの考え方をカードに援用する

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ストーリオ「電子マネークリップ クルミ」6600円(予価・税別) 材質は、写真のクルミの他にタモ(4900円)、ケヤキ(7300円)、カエデ・ブラック、カエデ・ナチュラル(各5900円)、カエデ・ブルー(6900円)もある。

マネークリップのシンプルな構造とスリムなスタイルは、とてもカッコ良くて憧れるのですが、いざ使おうとすると、紙幣しか挟めないため、他にカードケースとコインケースが必要で、ちょっとした支払いの度に、ゴソゴソと色んなものを出し入れしなければなりません。それで、結局使わなくなってしまうのですが、クリップで挟むだけ、というスタイルはとても惹かれます。

ストーリオの「電子マネークリップ」は、ICカードを中心にしたカード専用のクリップ型ホルダー。これが面白いのは、例えばカードクリップと言った場合、それなら普通のクリップで留めればいいじゃないかと思われてしまうところ、タッチで支払いが完了する「電子マネー」の普及に目をつけて、タッチでの支払いと、それ以外のカードをまとめてスマートにポケットに入れておけるように、というコンセプトで作られているところです。

電子マネーやカードを挟んでポケットに入れるという発想

電子マネークリップ02

電子マネークリップの内側は、カードが階段状に収まるように作られている。

これが、中々良いアイディアというか、案外無かったというか、電子マネーはカードなので、名刺入れ、パスケース、iPhoneケース、財布、カバンなどに電子マネー用のポケットが付く事は多くても、電子マネー専用のケース的なものというのは、これがとても少ないのです。そのせいか、ガイド納富も最初、この製品のリリースを見た時には、その魅力がよく分かりませんでした。「これって必要なのか?」というのが、その時点での正直な感想でした。
電子マネークリップ03

カードは3枚、このように収納される。ガイド納富は最も取り出して使う事が少ないSUICAを一番内側に入れている。

「電子マネークリップ」は、曲げ木の技術を使って作られた、湾曲した形のカードホルダーです。マウスの上部のような曲線を描く木の板に金属製のクリップが付いていて、これでカードを3枚内側に挟み込むようになっています。それだけのシンプルな構造で、正に「電子マネークリップ」としか言いようが無い製品ですが、これが、ただ差し込むだけでカードが階段状に重なるところや、挟みやすいクリップの形状、改札などを抜ける時にもちやすい湾曲具合など、細かい部分まで丁寧に考えて作られているのです。
電子マネークリップ04

このように湾曲しているため、ポケットの中での収まりが良く、取り出したり、改札を抜けたりする時も持ちやすい。

まず、カード3枚が木のシェルに守られるように保持できる形状がカッコ良いのです。こういう感じにカードを保持する製品が無かったという新鮮さもあるのですが、カードが少し湾曲しつつピタッと収まっていく感触が良いのです。また、3枚という収納数も絶妙だと思うのです。カードには、ポイントカードのように、お金と一緒に使うものもあれば、ICカードのようにお金の代わりに使うモノもあります。そして、お金の代わりに使うカードは財布に入れておく必要性は薄いのです。

そう考えると、ICカード、クレジットカードのような財布に入れる必要が薄いカードと、ポイントカード類に分けると財布の中身もスッキリするし、電子マネーも扱いやすくなるのです。で、財布と一緒に入れておく必要が薄くて、日常的に使うカードというと、ICカードとクレジットカードと後一枚何か、という感じで、3枚が丁度良いように思うのです。

木工技術と電子マネーという新しい概念の出会い

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手に収まるカーブと、木のしっとりと手に馴染む感触が、ケースごと掴んで使う「クリップ」という形状に合っている。

クリップというスタイルにしたことで、カードの出し入れにケースを開くという手間がいりません。しかも木製で、カードを覆うように保持するため、ポケットの中でカードが折れ曲がったり、バラバラになったりすることもありません。そして、持ちやすく改札を通る際のタッチもスムーズに、取り落とす事なく行える湾曲したフォルムは、タッチで支払いを済ませるという電子マネーの特質に沿ったデザインになっています。そして、それらの機能が全部一体となって「電子マネークリップ」という新しい製品を作っているわけです。
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金属のクリップのスプーンのような湾曲が、カードの出し入れをスムーズにしている。

これまでも、眼鏡ケースやペンケースなどを、曲げ木の技術による従来にはないアイディアとデザインで商品化してきたストーリオですが、それらの製品で培った技術とアイディアが、今回、オリジナルのツールとして見事に花開いたという感じなのです。通常では曲がらない。強くて固い木を曲げることが出来るから、この「電子マネークリップ」をクルミなどの強固な木材で作る事が出来ます。

また、木と金属を組み合わせるというある種の冒険にも似た発想が出来るのも、木と革を組み合わせてデザインしてきた経験から来たものだと思われます。こういう柔軟な発想が、「電子マネークリップ」という新しい製品を生み出す事になったのだと思うのです。

ガイド納富の「こだわりチェック」

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マウスを思わせるスタイルは、改札を抜ける時にも持ちやすいのだ。

ガイド納富は、このところ、この「電子マネークリップ」にSUICAとクレジットカードと図書館カードを入れて、このガイドサイトで紹介したsafujiの「キー付きミニ財布」に近所のコンビニのポイントカードと本屋のポイントカードと銀行のマネーカードを入れて、その二つだけをポケットに入れて外出しています。お金と、金と一緒に使うカードについてはミニ財布に、カードだけで使うものは電子マネークリップに、という使い分けは、とても快適で、しかも、本当にコンパクトで薄着になる季節にピッタリなのです。何よりポケットが膨らまず、しかし、必要なものは全て収まっているのです。

電子マネーやICカードといった、どちらかというと中途半端な未来に対して、昔ながらの木材と高度な木工技術で、見た事が無い、しかしすぐに手にも生活にも馴染む道具が作られたというのも、とても面白いと感じています。そろそろ、デジタル機器や周辺機器に対して、徐々に、従来の生活に馴染むスタイルの製品が出てくるタイミングだとも思います。Apple Watchが必要以上に普通の腕時計であろうとしているのも、多分、同じような流れだと思うのです。

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