ベテラン澤の復帰はなるのか?
W杯に臨む23人のメンバーに先立って、35人の予備登録メンバーがすでに発表された。チームのコアメンバーが順当に名を連ねたなかで、復活を期待させる選手がいる。澤穂希である。
前回の女子W杯で得点王とMVPに輝き、2011年のFIFA女子最優秀選手にも選ばれた36歳のベテランは、昨年5月の大会を最後になでしこジャパンから遠ざかっていた。新戦力のテストに、彼女自身のケガが重なったことが理由だった。佐々木監督は「代表のグループの中には入っている」と説明してきたが、澤抜きのチーム作りが進められてきたのも事実だ。
だが、女子W杯の前哨戦と位置づけられた3月の国際大会で結果を残せなかったことで、復帰を望む声が高まっているのは事実だ。
澤自身の状態もいい。4月26日のリーグ戦で通算150点目となるゴールをあげ、所属するINAC神戸も開幕から5連勝を飾っている。
国際Aマッチ通算197試合出場、同82ゴールはいずれも国内最多を誇る。女子W杯には過去5大会連続で出場しており、豊富な国際経験に基づいた戦術眼、ピッチ上での存在感は圧倒的だ。テクニックも錆びついていない。
24か国が参加する女子W杯は、およそ1か月の間に7試合を戦う。疲労が蓄積していく一方で、勝ち上がるごとに対戦相手のレベルが上がっていく戦いは、激しい消耗戦でもある。大会を通じたフル稼働を36歳の澤に求めるのは、難しいかもしれない。
それでも、彼女にしかできないことがあり、彼女だからできることがある。
あとは、佐々木監督がどのような決断を下すか。23人の女子W杯出場メンバーは、5月1日に発表される。