和装婚のハードル
洋装ヘア×和装の組み合わせが人気に
しかし、2007~2009年に神田うのさん、沢尻エリカさんなど芸能人の、和装に洋風のヘアを合わせるという今どきスタイルでの挙式が話題になり、そこから和装婚 の人気が高まって行きました。そして今では芸能人のみならず、一般の人の間でもこういったスタイルが中心となってきています。
花嫁衣装というのは、実はかなり重 いし、着慣れない分、成人式のお振袖以上に窮屈な思いをするものです。伝統的なスタイルの場合、それに加えてカツラという重労働だったのに比 べて、へアだけでもすっきりと軽くなった今どきのスタイルであれば、本当は憧れだった和装婚を選びたい!という人も多いはず。
そう考えればカツラをつけなくてもいい!という、言ってみれば気軽さは、和装婚へのハードルをかなり低くしている大きな要因のひとつと考えられます。
また、新婦の挙式、披露宴・披露パーティでの衣裳は2着という人が過半数を超えており、和装を着た場合にも、ほとんど人がその前後にドレスにお色直しをしています。洋風のヘアであれば、衣裳チェンジの時間の短縮になるという利点もありそうです。
こんな軽いヘアスタイルが主流になってきている
和洋折衷の考え方
和装姿にブーケを合わせることも
一昔前の和洋折衷というと、年配の人がナイフフォークが使えないからなどという理由で、洋式の会場で和食のおもてなしをしたりという様な、ちょっとアンバ ランスなものも多かったのですが、今はそうではなく、和洋コラボでオリジナリティーのある演出をしたり、和モダンなオシャレを取り入れるという、どちらか と言えば自分達のための和洋折衷という考え方です。
そこからすれば、伝統的な衣裳に今風のヘアスタイルといういわば和洋折衷スタイルに人気が出るのも、もっともな事ではないでしょうか。
通過儀礼としての結婚式
通過儀礼はお宮参りに始まって、七五三、十三詣り、成人式、結婚式など、私達が生活の中でその節目として脈々と紡いできた、日本人の心そのものです。なかでも結婚式というのは、まさに人生での最大の節目、イベントのひとつです。その結婚式に「本物の和」を取り入れたいという若い世代が増えているのはと ても嬉しい事です。
これすなわち、高度経済成長から始まった、洋風のものに憧れるだけの時代は一区切りし、次の時代へとシフトしている今、人々の感覚も、日本に古くから伝わる習わしを重んじ、ひいては私達が日本人としてどうあるべきかという事を考えはじめている人が増えていると言う事なのではないでしょうか。
だからこそ、一時期のブームで終わらせず、これから先も和装婚を選ぶ人が増え続けていって欲しいと心から願ってやみません。