球根出荷数日本一!チューリップの祭典「2017となみチューリップフェア」
富山県の西部、砺波(となみ)市で毎年、大規模なチューリップの祭典が開催されています。2017年の会期は2017年4月21日(金)~ 5月5日(金・祝)。今年は700品種、300万本という圧巻のチューリップを満喫できるイベントで、家族連れや花好き、写真愛好家まで、さまざまな人が県内はもちろん県外、国外から押し寄せる行事になっています。富山県の砺波市は水田の裏作としてチューリップ栽培が盛んで、球根出荷数は日本一。その徹底的に管理された品質の高さが評価されて、氷見(ひみ)の寒ブリ、滑川(なめりかわ)のホタルイカ、富山のますずしなどと並び、同地のチューリップは富山県推奨の『とやまブランド』にも認定されています。
砺波のチューリップ栽培の歴史は、“チューリップの父”と呼ばれる水野豊造(ぶんぞう)がちょうど100年前に、10球ほどの球根を手に入れて栽培したところから始まるそう。今年はまさに砺波の地でチューリップ栽培がスタートして100年という節目の年なのですね。
雪深い北陸の富山でチューリップ栽培は、成功しないと否定的な見方も当時はあったと言います。しかし、逆にデメリットと思われていた冬の雪が、地中の温度と湿度を一定に保ち、秋に植えられた球根を冬の霜から守る役割を果たしてくれるのだとか。
また、芽を出して根を伸ばす4月ごろから球根は、豊富な水を必要とします。その水供給に関しても、巨大な水田地帯として知られる砺波平野に張り巡らされた水田用のかんがい用水が、可能にしているのですね。
6月からの収穫期は、逆に球根が水を嫌がり乾燥を必要とするそう。しかし、庄川(しょうがわ)の扇状地である砺波平野は、砂壌土地帯として水はけがもともといいという特徴もあります。
さらに、北陸は5月から6月の日照時間が全国的に見ても長く、カラッとしています。そうした幾つもの条件が、砺波を日本一の球根生産地に押し上げたのですね。
次のページでは、となみチューリップフェアの詳細をお伝えします。