為替変動リスクとは?
為替相場が大きく変動したことで、相場から退場した人も多くいたかもしれませんね
外貨に投資すると、預けた時から解約するまで為替レートは絶えず変動していますので、為替レートの変動で損益が変動し、損失を被る場合があります。一般的に、これを為替(変動)リスクといいます。
円安、円高とは?
為替レートが1米ドル=100円とすると、110円になることを「円安」、90円になることを「円高」といいます。例えば、Aという品物を昨日までは100円で買えたとします。しかし、為替レートが円安に動くことで、今日から110円を出さなければ買えなくなりました。円から見れば10円余分に支払わなければならなくなりました。しかし、米ドルから見ると、今まで1ドルで100円分しか買えなかったものが110円分買えるようになります。つまり、円の価値が安くなっているといえます。
外国債券などに投資して、償還金や利息を外貨のままで受け取る場合には、為替変動の影響は受けません。しかし、円で受け取る場合には外貨と円を交換しなければなりませんので、為替変動の影響を受けることになります。
何とかしてこのリスクを避けようとするのが「為替ヘッジ」です。
為替ヘッジとは?
例えば、低金利の円ではなく高金利通貨で1年間運用しようとします。1年間為替変動がない、もしくは円安になればよいのですが、円高になる恐れもあります。そこで、1年後にある一定の為替レートで円に戻す予約をします。そうすれば為替差損を被るリスクを回避できます。これを「為替ヘッジ」といいます。
為替ヘッジを行うためには、現時点で将来の為替レートを予約しておく、つまり一定期間後の高金利通貨を売り、円を買う取引を予約しておく(為替予約)ことが必要になります。そして、一般的に、円とヘッジ対象通貨の短期金利の差が「為替ヘッジコスト」になります。
前述の例でいうと、高金利通貨を売って低金利の円を買うわけですから、為替ヘッジコストがかかります。
一方、例えば、通貨選択型投資信託では、高金利通貨で金利の低い通貨をヘッジします。将来のために、金利の低い通貨を売って高金利通貨を買うわけです。この金利差が「為替ヘッジプレミアム」となり、儲けとなります。
外貨のままで償還金や利息を受け取る場合には、為替変動の影響を受けることはありません。しかし、外貨ベースで儲かっていても、円で受け取る際に、為替の変動で損失を被ることがあります。
金融商品の仕組みが難しくなればなるほど、為替リスクや為替ヘッジについてはしっかりと理解しておくことが大切になるでしょう。