バラエティ豊富で価格も安い、インドネシアのワルン
アジアといえば「屋台」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。経済発展著しくオフィスビルが乱立するジャカルタですが、屋台は今でも地元民の台所として愛されています。ジャカルタ市民に愛されるワルン
屋台はインドネシアでは「ワルン」と呼ばれています。ワルンでは手軽に「麺」「ご飯」「スープ」など様々なものが楽しめますが、インドネシアらしいのは「揚げ物」です。揚げ物はゴレンガン(Gorengan)と呼ばれ、豆腐や野菜入りかき揚げ、キャッサバからバナナまで、時には食事として時にはオヤツとして一日を通して食べられています。インドネシアは年中暑い熱帯雨林気候です。しっかりと熱が入り、保存もしやすい揚げ物スタイルは味だけではなく安全性の面でも合理的なのでしょう。
また、価格も魅力の1つです。軽く1品つまむ程度であれば1,000インドネシアルピア。しっかりと食事をとったとしても10,000~20,000インドネシアルピア程度で収まります。
ワルンの選び方
一方、通常の飲食店とは異なり衛生面では注意が必要です。キッチンがあるわけではないので、食器はすべて汲み置きの水で洗っています。バケツ一杯の水で数十人分の食器を洗うのですから、日本の感覚からすると決して衛生的とは言えません。また、食材も冷蔵庫ではなく常温のケースで保存することがほとんどです。そのため、ワルンで食事をとる際は念入りに注意する必要があります。ガイドは、下記のような視点で衛生面を見極めています。・オフィス街の脇など、人通りの多い場所にある
・活気があり、客で賑わっている
・ポリタンクで水の予備を用意している
・水場を衛生的に保つ努力をしている
以上は現地の人々のアドバイスに基づいてはいますが、これで「絶対に安全」というわけではありません。ご自分で情報収集したり、自分なりの基準を持って屋台を楽しんでください。
それではワルンではどのようなものが食べられるのでしょうか?
ここではガイドの好みも織り交ぜながら、おすすめのワルンご飯をいくつかご紹介します!
テンペゴレン(Tempe Goreng)
ゴレンガンを売るワルン
ゴレンガンの代表格、テンペ
上述の通り、インドネシア人はゴレンガンと呼ばれる揚げ物が大好きです。数あるゴレンガンの中でもおすすめしたいのは「テンペ」です。テンペは有名なインドネシア原産の食品で、大豆をテンペ菌と呼ばれる菌で発酵させたものです。日本でも購入することができるのでご存じの方もいるかもしれません。味は納豆菌で発酵させる納豆に近いものがありますが、納豆と異なりアンモニア臭や粘り気はありません。ワルンで食べるテンペは揚げただけなのでタンパクですが、その分大豆本来の味を楽しめます。また、シンプルな味ですが揚げ方とテンペの厚さにより味が大きく変わり、なかなか奥深いものがあります。ぜひ食べ比べて違いを感じてみてください。価格は場所にもよりますが、ジャカルタ中心部のワルンでも1枚1~2,000インドネシアルピアが相場です。