肥満・メタボリックシンドローム

失敗の理由は目にあった?視覚を使ったダイエット(2ページ目)

「日本人は目で料理を食べる。 西洋人は鼻で料理を食べる。中国人は舌で料理を味わう」、各国の料理を比喩した言葉です。日本人は目で食べる? ホントにそうなの? この言葉の意図をつかんで上手に応用すれば、ダイエットも上手く行く可能性があります。どのように応用すればダイエットに成功するのでしょうか?

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

食行動からダイエットを見直す

こうして考えてみると、「視覚」を重要視する食行動はダイエットに応用できそうです。

私たちの生活を振り返ってみると、どこでも簡単に食べ物を手に入れることができます。スーパーには色とりどりの新鮮な食べ物が揃っていて、自宅で調理するのが面倒なときも、コンビニへ行けばおいしそうな料理が並んでいます。外出先ではレストランがあります。食べ物を求めようと思ったら、24時間何をしていてもどこにいても簡単に手に入れられる状況で生活しています。この状況は、生きるのに必要な食べ物の量よりも、目に入ってくる食べ物の情報が多すぎてしまい、食べ過ぎになりやすいのです。

食べ物に関する視覚情報をシャットアウトする方法

これまでの説明で、「おいしそうな食べ物がある」と視覚で認識しないようにすれば、ダイエットしやすくなることがお分かりいただけたかと思います。それでは、実際に食べ物を見ないようにするためにはどのようにすればよいのでしょうか?

  1. 自分の座っている周りに食べ物を置いておかない。
  2. 「すぐに食べられる食材」を買わないこと。
  3. コンビニに寄らないこと
  4. 食事以外に楽しいと思えることを作ること

まず、自宅でも職場でもそうですが、小腹が減ったときのためにとチョコレートやキャンデーを机の上に箱を置いたりして用意している人がいます。正直に言えば、頭がすっきりしないときはチョコレート1片またはキャンデー1粒だけなら、頭をすっきりさせるためのカンフル剤になります。ところが、見てしまったのが運の尽。ほとんどの場合は、2つ、3つと手が止まらなくなってしまいます。

仕事や勉強の合間ならば、2~3つでやめることもできると思いますが、テレビを観ながらリラックスしているときなどは、1つや2つのつまみ食いでは済みません。目の前にある食べ物がなくなるまで食べつくしてしまいます。

実際、糖尿病患者の方に伺ってみると、自宅のすべての部屋に小さな冷蔵庫が備え付けてあり、中には大好きなコーラが入っている、とか、自室の自分が座る周りにテレビのリモコン、スナック菓子、飲み物がすべて手の届く範囲にセットしてあるという話をよく耳にします。

これでは24時間食べ放題になってしまいますし、「動く」機会を失ってしまいます。太ってしまうのは言わずもがなです。上記の各部屋の冷蔵庫にコーラを入れていた患者様のご家族と相談の上、冷蔵庫の中のコーラをすべて撤去していただいたところ、見事に血糖値が安定し、ダイエットに成功しました。

このように「食べ物を視界から遮断する」ことはダイエットにとても有効です。上記に4つの方法を記しましたが、まずは「食べ物を見ない」ように意識するだけでも、違いが出てくるでしょう。


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