住宅リフォーム/リフォーム事例~Yuuのリフォーム現場から

庭に出れば世界が広がる~リフォームの現場から

土地の半分を占める庭、使えてますか?手入れが大変でうんざりしていませんか?リフォームで庭に新しい価値を生み出した事例をご紹介します。

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

最近、我が家の庭に出たり、じっくり眺めたりしていますか?もちろん洗濯物を干したり、草むしりなど庭の手入れをした方は多いと思います。でもそれ以外ではどうでしょう。庭を活かせば、毎日の暮らしがもっと豊かになります。

土地の半分を占める庭、使えてますか?

布団干し

庭の面積は意外に大きい。洗濯物を干すだけではもったいない。

庭の面積を考えてみると、40坪の土地で建ぺい率が50%なら20坪。約66平方メートルにもなります。ちなみに6畳は3坪、10平方メートルですから、なんと40畳分の広さになります。

それだけの大きな面積、大切な土地の半分を、なんとなく芝生にして木を植えて、用途は隣地との距離を取ることと、洗濯物を干すだけ、というような状況になっていたら、それはとてももったいないことです。

 

日本人にとっての庭は心のよりどころ

古刹

眺めているだけで癒される。庭は日本人にとって、大切な心のよりどころ。

古来、日本では四季折々の自然に八百万の神が宿ると考えられていました。そして人々は自然を庭に写しこむことで、その精神を身近に感じようとしました。

大寺院には必ず庭園があり、高僧がその設計者として名を残しているものもあります。神社に行けば、ご神木やまつられた岩や山があります。

皆さんもお寺で庭を眺めていると、なんだか清らかな、癒されるような気持ちになることがありませんか?庭は日本人にとって、大切な心のよりどころであり、精神文化が集約された存在でもあったのです。

 

小さな坪庭に存在するひとつの世界

庭石

庭の面積はほんの数坪でも、そこには完成された小さな世界が。

寺院や神社だけでなく、庶民も庭に四季をうつし、心の癒しとしていました。小さな坪庭にひとつの世界を作り上げるその世界観は、京都の町屋などで見ることができます。

ガイドYuuの小さな頃は、まだそんな庭があちこちにありました。祖父母の家もそうで、都心の狭小地でしたから、庭の面積はほんの数坪。隣はすぐマンションで日当たりも悪い場所でしたが、そこには小さな世界があり、何時間見ていても飽きることはありませんでした。

四季折々に花が咲く小さな樹木たち、足もとのリュウノヒゲやシダ、とうろう。そしてコケに覆われた小さな石鉢の中にはいつも2匹の金魚がいて、死んでしまうと縁日で買ってきては足すのを繰り返す。その光景は今でも鮮やかに浮かんできます。

 

子どもが大きくなったら庭には用が無い?

芝刈り

庭の手入れをメンドウと感じている人は多い。

しかし美しい庭を維持するためには、やはり手間が掛かります。リフォームをする世代は50代~60代が圧倒的に多いのですが、その際に庭の話を聞いてみると、特に庭いじりの趣味を持っている人以外、庭の手入れをメンドウと感じている人が多いようです。

子どもが小さかった頃は、庭でブランコやボール遊びをしたり、朝顔を一緒に育てたりなどをして庭に出ていた人も、子どもが大きくなってからは特に用が無い限り庭には出ない。

そうなるとますます手入れがメンドウに感じられ、いずれは庭が無いマンションに引っ越したいという声も聞くようになります。心を豊かにしてくれるはずの庭が、やっかいもののように感じている人も少なくないのです。

 

リフォームで庭に新しい価値が生まれる

ガーデンブレイク

外で時間を過ごしてみたらとても気持ちよくて、庭に出るのが楽しみに。

でも、もし手入れが楽で、いつも美しく保てる庭があったらどうでしょう。例えばメンテナンスフリーのウッドデッキ、スイッチひとつで自動で開く日よけ、水やりが自動でできる自動灌水器、虫が付かない木、それほど手を掛けずにきれいな花が咲いてくれる草花など。

ガーデニングリフォームではそんな依頼も多く、工夫しだいで、手入れが格段に楽になる庭を作ることが可能です。

そしてただ眺めるだけでなく、豊かな時間を過ごすための庭づくりを考えることで、我が家の庭に新しい価値が生まれます。

以前、部屋から庭に段差なく出ることができるようテラスを作るリフォームをしたところ、庭の手入れが楽になっただけでなく、毎日外に出て庭を眺め、空を眺め、お茶を飲み、本を読み、世界が広がったという方がいました。その方は、それまで庭に出ることは無かったそうです。

なぜ庭に出るようになったかを伺うと、特別なことは何もなく、強いて言えば、コーヒーカップを持ったままスムーズに庭に出ることができるようになったから。そして、外で時間を過ごしてみたら、とても気持ちよくて、天気がいい日は庭に出るのが楽しみになったとのことでした。

庭に出る時のあの大きな段差は、物理的な段差であるのはもちろん、心理的にも大きなハードルになっています。あの段差を無くすだけでも、家の中から庭へ生活空間が自然につながり、庭に新しい価値が生まれます。

 

庭を活用すると暮らしはもっと豊かになる

リフォームというと、家の中の設えのことばかり考えがちですが、我が家の半分を占める庭を、上手に活用するリフォームをしていくことで、暮らしはもっと豊かになります。ぜひ目で見て幸せ、身体で感じて幸せ、そしてお手入れが楽な庭づくりを考えてみて下さい。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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