資産運用/投資初心者にもできるカンタン資産運用法

退職金専用定期預金で1年間は高金利を得よう

会社を退職した際には退職金が払われることになりますが、定年まで働いた場合の退職金はかなりの金額になるはずです。定年退職後は、公的年金と自助努力により生活することになることから、退職金で少しでも利息(収益)を稼がなければと投資を考える人も多いはずです。投資を否定するわけではありませんが、退職者には特別定期が用意されていることを忘れてはなりません。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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金利3.0%の定期預金もある

退職金専用定期でお得に資産運用

退職金専用定期でお得に資産運用

民間企業は誕生日月、公務員は年度末が定年退職の時期となることから、新年度は退職金の運用で悩まれている人が多いようです。景気回復に伴い、転職も活発になっていることから、自己都合退職で退職金を受け取った人もいるはずです。

勤務先や勤続年数などにより退職金額は異なりますが、共通するのはまとまったお金をどうやって運用すればいいのかということです。

金利が高ければ運用先に悩むことはありませんが、ご存じのように預金金利は地を這うような低さ。現役時代から株式投資などを行っている人であれば、投資に回されてもよいでしょうが、これまで投資を行ってこなかった人にとって投資のハードルは高いはずです。

インターネット専業銀行の1年物定期預金では高くて0.30%前後、地方銀行のインターネット支店を利用しても同0.40%程度の金利が得られるのが関の山。

メガバンクを始めとする大手銀行の定期預金よりは金利が高いものの、地方銀行のインターネット支店は預入金額に上限を設けているケースがあり、まとまったお金を一括して預けられる状況ではありません。そこで、注目したいのが退職金専用の定期預金です。

手間はかかるが預け回すことが鍵

「退職金専用定期預金」は、文字通り退職金を預け入れるための定期預金です。すべての銀行が取り扱っているわけではありませんが、地方銀行や信用金庫などで取り扱われています。銀行によって詳細は異なるものの、共通の仕組みは退職金を受け取ってから3ヵ月~1年以内に預け入れること、退職時期を確認できる公的資料など(退職所得の源泉徴収票、任意継続健康保険証など)を提示することが条件になっています。

預入期間は1月~3ヵ月が中心で、最低預入金額は100万円~500万円となっています。金利は好金利と言われる地方銀行のインターネット支店の1年物定期を大幅に上回り、年利で1.0~3.0%程度の高金利となっているのです。金利が高いことから、外貨預金や投資信託などとのセット商品では?と思われるかも知れませんが、純然たる定期預金なので外貨預金や投資信託を行う必要はありません。

デメリットは預入期間が短いことです。預金金利は通常年利表示であることから、例えば年利3.0%の退職金専用定期預金に1000万円預け入れた場合、実際に手にすることができる利息額は1ヵ月物であれば、2万5000円、3ヵ月物であれば7万5000円にしかなりません(税金を考慮せず)。

預入期間が1ヵ月や3ヵ月であったとしても、預入金額がまとまっていれば、それなりの利息を手にすることはできる反面、当初の預入期間が経過したら店頭表示金利に引き下げられてしまい、高金利期間はあっという間に過ぎてしまうのです。そこで、手間はかかるものの、当初の預入期間が経過したら他の銀行の退職金定期預金に預け替えるのです。

先に述べたように退職金定期預金は、退職してから1年以内に申し込みができるのですから、3ヵ月物の定期預金であれば、3回預け替えれば実質1年物定期預金を運用したことになるのです。途中に1ヵ月物を挟むことで、13~14ヵ月高金利を得ることもできるのです。

理屈上は預け替えることで高金利の1年物定期を利用したことになりますが、自分が動ける範囲に退職金専用定期預金を取り扱っている金融機関が複数あるかが鍵になります。なぜなら、退職金専用定期預金は窓口での取扱いとなっているからです。

最後に金利が高めの取扱い金融機関名などをいくつか紹介しておきましょう。

伊予銀行=3.0%(1ヵ月物)、愛媛銀行=3.0%(1ヵ月物)、三重銀行=2.025%(3ヵ月物)、百五銀行=2.025%(3ヵ月物)、もみじ銀行=2.0%(3ヵ月物)などたくさんの金融機関が取り扱っています。

メガバンクを始めとする銀行も扱っていますが、いずれも金利は1.0%台となっています。お近くの金融機関に退職専用定期預金を取り扱っているのか調べてみてはいかがでしょうか。※金利はすべて平成27年4月1日現在です

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