家計簿・家計管理/家計管理の基本

一人暮らしのお金のやりくり・家計管理5つのコツ

一人暮らしを始める人のお金のやりくりのコツを解説します。実家暮らし時代とは違い、お小遣いのことだけでなく、生活に必要なお金の管理も自分でしなければなりません。きちんとお金を管理して使っていくための5つのポイントを解説します。

やがら 純子

執筆者:やがら 純子

マネープラン入門ガイド

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一人暮らしのお金管理5つのコツ

実家暮らしの時は自分のお小遣いのことだけ考えていればよかったかもしれませんが、一人暮らしをするなら生活全体を自分で管理しなくてはなりません。お金をきちんと管理するための5つのポイントをご紹介します。かつて低収入で一人暮らしをしていたガイド自身の経験も最後に少し書きました。
 

【1】固定費を確実に支払える形をつくる

固定費とは、家賃、水道光熱費、ネット代、習い事の月謝など「毎月必ず支払わなければならないお金」のことです。クレジットカード払いや口座引き落としの手続きをして、忘れずに支払う仕組みを整えましょう。自分で振込みやコンビニ支払いをしたい場合は、給与や仕送りが入ったら真っ先に固定費分のお金をとりわけ、数日中に支払ってしまう習慣をつけてください。支払いを忘れると、翌月に2カ月分支払わないといけなくなります。翌月の家計はかなり厳しくなり、そこから滞納癖がついたりキャッシング癖がついたりしがちです。

また、固定費には無駄が含まれていることが多々ありますので時々見直しましょう。例えば電気の料金プラン。昼は仕事で夜は自宅でゆっくり過ごす人は夜間から早朝の料金が安くなるプラン、平日は寝に帰るだけで土日に家事をまとめてやる人は土日が安くなるプランなど、生活スタイルに合わせて選びます。アンペア数は一人暮らしなら20アンペアくらいで十分だと思います(朝の忙しい時間、エアコンと電子レンジとドライヤーの併用は気を付けて)。
初めての一人暮らしを楽しみたい

初めての一人暮らしを楽しみたい

 

【2】貯蓄するお金を取り分ける

少額でもよいので貯蓄を習慣にしましょう。確実に貯めるコツは「先取り」です。給与が入ったらすぐに貯蓄分をとりわけ、貯蓄用の口座に移してしまいます(ポイント5も参照)。「月末にお金が余ったら貯金しよう」という人がいますが、そういう人はたいてい月末にお金が余りません。まずは貯めて、余った分で暮らすと考えてください。また、この貯蓄は長期にわたって貯めていくものであり、夏休みの旅行などに使うための貯蓄ではありません。近いうちに使うお金はまた別の形で貯めます(ポイント4も参照)。

金額の目安は、給与の1割から2割。会社に「財形貯蓄制度」があったらぜひ利用しましょう。給与天引きで確実に貯蓄でき、税金その他の面でメリットがあります。投資信託の積み立て購入などで貯めていくのもいいですね。ただし、財形や投資信託は急にお金が必要になった時にすぐに引き出すことができないので、一部は通常の銀行口座で貯めていくことをおすすめします。その口座は貯蓄用と決め、生活費を引き出す口座とは別にしておくとよいでしょう(ポイント5も参照)。

また、これはファイナンシャルプランニングとは別にガイドの私見ですが、何を優先すべきかはよく考えてください。急な支出に備える程度の蓄えは必要ですが、貯蓄をすればいいというものではありません。語学学校に通ってスキルアップをはかるなど、自己投資を優先すべき時期もあります。長い人生を見通して考えてみてください。
 

【3】1週間の生活費を決める

給与や仕送りから「固定費のためのお金」を引き、さらに「貯蓄するためのお金」を引き、その残りが「使えるお金」です。1カ月分をやりくりしようとすると難しく、給料日前にお金が足りなくなりがちです。おすすめは、1週間単位で管理することです。1週間なら、前半に使いすぎたから後半はちょっと我慢しようとか、週末に外食予定があるから平日は節約しようとか、やりくりしやすいのです。

データでは、若い一人暮らしの人の食費・外食費の合計は3万6400円です(新型コロナウイルスの影響で外食が減り、前年よりも7400円減っている)。そこで、例えば1カ月の食費と生活必需品(洗剤など)を買うお金を合わせて、1週間で1万円で暮らすと決めます。まずはそれで数週間やってみて、適宜見直しをしましょう。自炊をする人は、1週間の予算を少し減らして、お米代を別に確保しておくとよいかもしれません(お米代は、1日2食を自炊する場合、1度に1杯食べる人は月に2000円、1度に2杯食べるなら4000円が目安)。
34歳以下の単身勤労世帯の食費、水道光熱費(2020年および2019年 家計調査より作成)

34歳以下の単身勤労世帯の食費、水道光熱費(2020年および2019年 総務省家計調査より作成)


【4】お小遣いを決める

給与から、固定費・貯蓄・生活費を引いた残りが、服を買ったり遊びに行ったりするお金「お小遣い」です。1カ月あたりは少ない額になってしまいますが、メリハリのある使い方をしてストレスが溜まらないように工夫しましょう。旅行やセールでのまとめ買いの予算はここから少しずつ貯めていきます。その場合の貯めるお金は、貯蓄用口座に移さなくてもよいでしょう。
 

【5】銀行口座を2つ作る

貯めるお金は給与や仕送りが振り込まれる口座とは別に口座を作り、そこに貯めることをおすすめします。一緒にしておくと、生活費も何もかも一緒になって、つい使ってしまうからです。「先取り」したお金は、貯蓄用に作った口座にすぐに移し替えます。貯蓄用の口座のお金には、入院など本当の緊急事態以外は手をつけない!と心に誓ってください。その口座のキャッシュカードは持ち歩かないほうが無難です。
 

最後に

もう20年前ですが、低収入(手取り年収200万円未満)で一人暮らしをしていたことがあります。固定費を払い、生活をし、さらに衣装代も自腹(某テレビ局のニュースキャスターをしていました。視聴者はこんな低収入だとは思っていないので、衣装がしょっちゅう同じだの何だのと苦情?が来たものです)貯蓄はできませんでしたが、いつかもっと大きな仕事を取るためにFP資格取得費などを優先しました。生活費は「1週間7000円(お米代は別)」と決めました。厳しかったですが、ある日は2000円使い、ある日は500円で済ませ、最終的に7000円でうまくできた時のコンプリート感はなかなかいいものでした。収入が少ない方、どうかうまく工夫して、一人暮らしを楽しんでくださいね!

その後、そのテレビ局の契約が切れ、東京に来て、FP資格を持っているアナウンサー(当時は少数でした)としてステップアップできました。貯蓄よりも自己投資を優先して正解だったと思っています。

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