SR400の原点はオフロードだった?
バイクブームの頃から、形を変えずに販売されているSR400。ジャパニーズスタンダードと言っても過言ではない中型排気量モデルの中でアイコン的存在ですが、ベースモデルとなったXT500を見てみると、ビンテージモトクロッサー。もともとアメリカ市場の声から生まれたバイクなのです。1970年にアメリカでマスキー法(大気浄化法)改正が行われ、SRがデビューした1978年には、日本版マスキー法が実施されることを受け、世界的にも起きていたエンジンの4ストローク化の波が日本にも押し寄せました。
ヤマハのオフロードモデルとしては、DT-1を発売後、125cc、350cc、500ccとリリースを重ね市場を拡大したものの、2ストロークで500ccの単気筒エンジンは耐久性が頭打ちしていたこともあり、それに変わる4ストロークのビッグオフロードモデルの開発へとシフトしていくようになります。
「オフロードモデルは軽くてコンパクトでなければいけないから」という理由で、単気筒エンジンを採用したのだとか。アメリカ市場でのユーザーアンケートでは、大型単気筒に対する憧れが大きかったようです。
車体のシンプルな造形と軽さを求めてスターターもキック式を採用しており、燃料供給方式をキャブレター(気化器)からインジェクション(電子制御燃焼噴射装置)化しても、キック式スターターは引き継がれました。
4世代に分類ができるSR400
いちモデルで36年の長きに渡って生産されている車種は珍しく、原付を除いた中ではSRのみで、現行モデルを含めて大まかに4モデルに分けることができます。ディテールで車両を選ぶ方もいれば、色で選ぶ方も多いかと思います。SR400は、単純計算で1年1色と考えても36色となりますが、再販カラーがあったり限定モデルも存在するため、豊富なカラーリングであるのは明確です。そこからさらにディテールを詰めるのであれば、フレームに打刻されている(または車検証に記載されている)車体番号から割り出すことができるので、参考にしてみてください。【初期型】 1978年~1984年
フロント19インチ/ディスクブレーキ
●ダートトラッカーがベースとなっているのでフロント径が大きく、ディスクブレーキが採用された。
【二型】 1985年~2000年
フロント18インチ/ドラムブレーキ
●よりクラシカルな雰囲気に方向転換するためにホイール径を1インチダウンに加え、ドラムブレーキ化、フロントフォークブーツ装着、ステップ位置の変更がなされた。
【三型】 2001年~2008年
ディスクブレーキ/排ガス対策済み
●保安基準強化により、ディスクブレーキへ変更。また排ガス規制に対応するためキャブレターの変更と、エアインダクションシステム(二次空気導入装置)が装着された。
【四型】2009年~現在
ディスクブレーキ/インジェクション採用
●度重なる排ガス規制に対応するためにインジェクション化。
気になる車体価格については次のページで。