面倒を減らすのが便利のはずだが

今の時代ほど「便利」が増えて、「面倒」が減っている時代はありません。かつては銀行でお金を下ろしたければ、紙の通帳とハンコを持参して9時から午後3時のあいだに店頭に並ぶ必要がありました。今ではキャッシュカードがあればコンビニで24時間お金を下ろすことができますし、振込も自宅のPCやスマホからネットで行えるようになっています。

しかし、便利が拡大すればいいことばかり、というわけでもありません。コンビニATMは便利ですが手数料を引かれることがあります。銀行の条件によっては一定回数無料であったりしますが、油断すると108円ないし216円が引かれてしまいます。216円も引かれてしまえばどんな便利も割高です。

もうひとつ、便利になるほど危険なことのひとつは「お金が貯まらない」ということです。簡単に下ろすことができる、ということは使いたいときさっと下ろしてしまえるということでもあります。クレジットカードも「今お金がなくても買い物できる」仕組みのひとつですが、使いすぎると数カ月後、高額の引き落とし通知に青ざめることになります。電子マネーのオートチャージ機能も便利ですが、お金を無制限に使う心配もあります。

今回は、逆転の発想、マネーハックの考え方で「お金を貯めるしくみ」をまとめてみます。これだけ便利になった時代にあえて、「下ろすのが面倒な口座」を活用してみようというのです。

面倒なほうがお金が貯まる理屈

下ろすのが面倒な口座、と言われれば、わざわざそんな口座を作ろうとは思いません。しかし、お金を貯めておきたいのであれば、下ろすのが面倒な口座を活用することが有効です。

私たちがお金を使うとき、「絶対必要な出費」と「絶対必要ではない出費」があります。特に後者については「ガマンできなくもない」という出費をいかに減らすかが節約の観点からは大切です。

「便利」になりすぎると、このガマンをするハードルは下がります。簡単にお金がおろせてしまうからです。週末にムダづかいをしてしまいそうになったとき、コンビニでそもそも下ろすことができなかったら(つまり便利ではない口座であったら)、そのムダづかいはしなくてすむかもしれません。

下ろすのに一手間かかる、あるいは下ろすことに制限がある口座にお金を入れておくことで、私たちはそのお金を使うことに歯止めをかけることができます。お金は減らず、少しずつ増えていくことになり、本当に必要なとき使えるまとまったお金になるわけです。

実はお金を貯めたいのであれば「下ろすのが面倒」な状態にしておくことが効果的なのです。