テラスの用途は様々。目的に応じて屋根の設置も
木組み感の趣があるパーゴラタイプ。垂木の先端を斜めにカットし、洋風のカジュアルさを演出。[木調テラス屋根・木調バルコニー屋根 サザンテラス パーゴラタイプ] YKK AP
使用する目的によっては、屋根を設置するケースもみられます。造作で施工することもできますが、多くプランニングされるのはエクステリアメーカーの建材商品。豊富な商品バリエーションが揃っており、さまざまなデザインの住まいに設置することが可能です。
<目次>
テラス屋根を設けるメリット
敷地条件やプランニングにもよりますが、テラス屋根を設けるメリットは、雨や日差しを防ぐことができるため、テラススペースの使い勝手や居心地の良さが高まることでしょう。リビングやダイニングなどの掃き出し窓につなげて設置されるケースの多いテラスは、お茶を飲んだりガーデニングを楽しむスペースとして利用されるもの。テラス屋根を設けることで、強い日差しを遮り心地よさもアップしますし、洗濯物干し場として使用したり、ペットの遊び場とするのであれば、急な雨でも安心です。デザインにもよりますが、外観デザインのポイントとなる場合もあるでしょう。また、勝手口まわりに設けることで、ゴミの一時保管などバックヤード的な使い方ができるでしょう。
テラス屋根の種類と形状……固定タイプと独立タイプ・フラットやアール型
メーカー商品としてのテラス屋根は、基本的には柱と屋根材で構成されているもの。建物本体の外壁に固定するタイプと、建物本体に固定しないで柱だけで支える、独立(自立)タイプがあります。独立タイプは、建物本体の構造や性能上、外壁に後付けできないケースなどで用いられるタイプです。柱の材質はアルミ形材が多く用いられています。建物外壁に穴を空けることなく設置できるため、さまざまな躯体条件に対応できる。[独立テラス屋根 エフルージュグラン ZERO 標準柱 フラット型 H2 トーメイマット] YKK AP
商品としては、サイズは豊富に揃い、幅は、1間(約180センチ)から3間程度、多くの商品は連結させることが可能。出幅は、2尺(1尺:約30センチ)から10尺程度、より大きなタイプの提案もみられます。洗濯物を干すことができる物干し金具、外部からの視線や風雨の吹込みを防ぐためのパネルなどのオプションを用意した商品も揃っています。
性能が高く、カラーも揃うテラス屋根材
テラス屋根の素材に多く用いられているポリカーボネートは、衝撃に強く、軽量。紫外線を通さず、光をほどよくカットすることも特徴です。また、熱線吸収ポリカーボネートは、室内を明るく保ちながら、熱エネルギーをカットし、温度の上昇を抑えるもの。防汚機能を持ったタイプもあります。その他、防火地域に使用できる、熱線遮断FRP板が用意された商品もみられます。木目調のすっきりとしたデザインは、どんな外観デザインにも合わせやすい。 [シュエット クリエペール] LIXIL
強風や突風、大雪など、地域性に考慮して選ぶ
選ぶ際に気を付けたいのは、耐雪性や耐風性。雪に対しては、一般地域用、積雪地域用、多積雪地域用などを揃えた商品も多くみられます。実際には、設計担当者から適する商品を提案されることになりますが、設置する地域性にあったタイプかどうかの確認を忘れずに。積雪量や季節によって、雪を落としやすいように、屋根角度が調整できるオプションなど、工夫を施した商品なども提案されています。年間平均積雪量100センチの雪が多い地域でも利用できる。 [ヴェクター シリーズ共通仕様 多雪地域対応] YKK AP
バルコニーに設置する屋根商品も
テラス屋根商品は、1階だけでなく、2階以上のバルコニーに設置できるタイプ(バルコニー屋根)も揃っています。上層階は、風が強い場合も多いので、選ぶ際にはサイズや強度など、充分に配慮すること。設置する環境(風向きや積雪)に適した強度を持つ商品かどうか、担当者に確認することも大切でしょう。柱のないすっきりとしたデザインが特徴。1階~3階に設置可能。[テラス スピーネ F型 ルーフタイプ シャイングレー] LIXIL
また、エクステリア建材のショールームは多くはありませんが、可能であれば、実際に大きさやデザイン、屋根材の素材などを確認した上で、選ぶことをおすすめします。
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